「台風一過。渡良瀬川の傍流。数日後、増水した川が、どんどん引いている。こういう時、釣り糸を垂れると、魚の喰いがたつのを子どもたちは、経験で知っていた。」(鈴木路雄『セピア色の昭和時代』より) 渡良瀬遊水地へ流入する渡良瀬川は、群馬・栃木の県境にある皇海山に源を発し、いくつもの渓流を合わせながら茨城県古河市地先で利根川に合流する。