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同盟写真特報第2099号(1)靖國神社の臨時大祭
内容
おそれ多くも天皇陛下の行幸をあふぎまつる靖國神社臨時大祭は四月二十三日から六日間とりおこなはせられました。新祭り神は一九八七柱。寫眞はおまゐりするその遺族の方々です。
あ~靖國の御やしろが…-十八歳の少年のはなし― 新井太郎
このあひだのことですが、輸送船の水夫になってゐる十八才の少年のはなしをききました。この少年は、南の海のある島へいつたときのかへり道で、アメリカの飛行機の衝撃を受けたのです。輸送船のことですから、武器もたいしたものをもつてゐないし、からいふときたよりになる兵たいせんもほとんど乘つてゐない丸はだか同様の空の輸送船たつた一隻に、何台かの敵の飛行機が大きなばくだんをだいて、かかつてくるのですからたまりません。輸送船は一生けんめいにたたかつたのですが、船員はつぎつぎにたふれました。この十八の少年もあたまに重い傷をおひました。血はとめどなくながれるのですが、自分ではどうすることもできません。少年は「あ、いよいよ自分は死ぬのだな」とおもつたそうです。そのとき少年の目のまへになにかが見えたでせうか。少年ははつきり申しました。「ぼく、そのとき、靖國神社の大鳥居と、それから扉についてゐる菊の御紋章を見ました。はつきりみえましたよ」といふのです。みなさんのすぐ上の兄さんくらゐの少年でも、日本人ならば、死ぬ一歩前といふところで、魂は南の海から一直線に靖國神社のうへへとぶのです。英靈が砲聲のとどろく戰線の空からあまがけりして靖國の御やしろにしづまる。といふことばは、この少年のいつはらない報告に證據だてられるやうな氣がします。
教育版
原文