松川事件上告審の口頭弁論が最高裁で始まった。昭和二十四年八月十七日の事件発生以来、実に九カ年という歳月を経て、やっと最終審理を迎えたわけだ。その間〝有罪か無罪か〞をめぐって、裁判史上かつてない論争まで巻き起こしたが、この事件もようやく大詰に近づいた感じである。 最高裁大法廷で開廷された松川事件公判=中央が田中長官 公判に備えて山積された関係書類 昭和三十三年十一月十九日 第八八四号 日本写真新聞社