「風が強い、キケン、キケン」の無線電話がとだえて、消息をたった南海丸は、とおり魔のような強風に、一瞬、冬の荒海に沈んだ。全員死亡-遺体はるいるいと、横倒しの船室におり重なっていたという。今年の十大ニュースに、またまた海難惨事の一ページが加えられた。 遺体収容の捜査はつづく・・・南海丸の螢光灯をもちだした潜水夫 左の写真・帰らぬ肉しんをもとめて、捜査に同行する南海丸の遺族たち 昭和三十三年二月十二日 第八三一号 日本写真新聞社