戦災で焼けて十数年、四天王新五重塔のむね上式がこの程おわった、来年の春までに大阪の史蹟がまた一つ復元する 冷めたい報道陣のマイクに巻かれ吉葉が引退した、鏡と違い場所中だったのがひとしお哀れをさそった 樺太から第三次第四次の引揚者が相ついで帰ってきた、無縁故者が多く淋しい帰国風景だった 昭和三十三年二月五日 第八三〇号 日本写真新聞社