日本の象徴、富士山の偉容は、新雪をいただいて、永遠のけだかさを誇っている。新しい年をむかえて日本人の胸によみがえるのは千古のままの富士の姿であろう。しかし、終戦後十年を経た今日、なお、富士に影を落して飛びさる米空軍機は悲しい日本の現実を物語るものであろう。 昭和三十一年一月四日 第七〇八号 日本写真新聞通信社