寒い寒いと言つている中に大寒も過ぎ、節分、立春、初午、と相継ぐ春の行事をともに植物は芽をほころばせ、人々は冬から解放され春の大気を胸一杯に吸込んでいる。雪の上や街中を吹き拔ける風はまだつめたいとは言え、新春の匂が感じられる。 (右)大阪天王寺植物園の芽をふいたバナナ。 (上)東京上野不忍池の簿氷の上で遊ぶ鴨。 (左)熱海の梅林でほころびた七分咲のうめ。 第三百五十九號 昭和二十七年一月二十八日發行 日本写真新聞通信社