文化ニュース　科學版　Ｎｏ．３５２（３）　太陽熱利用のいろいろ

太陽熱の利用は多くの学者が研究をかさねたがその大部分は実験の域を出ずに終つている。これは熱そのものゝ利用と熱エネルギーを動力にする二つの研究で、熱及びエネルギーの蓄積に大きな困難がある。若し利用法が完成されたら物を燃す不愉快な煙がなくなり、冬を温たかく過せるし、無盡蔵の熱エネルギーは各方面に利用されてより高度の文明が生まれるであろう。
これ等の写真はごく最近の米国における大陽熱利用研究のいろいろである。
（右）イリノイ大学における煙の出ない暖房の効果を調査しているところ、この暖房設備によれば石炭より５０％温いと云う。
（左）一般家庭につけられる熱吸收の二重窓。
（上）ゼネラルモータ会社の太陽熱により電力を起す装置。写真はローソク熱で実験している。わずかな熱がモーターにつけた軽いハズミ車をまわして発電する。
第三百五十二號　昭和二十六年十二月三日發行
日本写真新聞通信社