文化ニュース　Ｎｏ．３５２（１）　爆発寸前のスエズ運河

イラン問題に続いて起こつたエジプト問題はエジプト側と英国側との間にしばしば小競合いさえ起り、英国は婦女子の引揚を行い、運河附近の英軍を増強し、緊迫した空気がますますつのつている。英国はイラン問題の不名誉を挽回すべくスエズ運河の死守を決意していると言われる。英国のイーデン新外相は條約改訂による解決を言明したが果してどの程度歩みよるか、中東防衛のためのアラブ連盟の協力が要望されている時、この英・エ紛爭のなり行きは微妙な影響を与えるものと思われる。
（上）通行する現住民達を検査する英軍。（右）陣地を築き港を警戒する英軍。
ひつそりしたスエズ港附近の市街。
第三百五十二號　昭和二十六年十二月三日發行
日本写真新聞通信社