初めての夜間空襲で逃げまどう人たち

午後１１時２５分警戒警報、１１時４５分に空襲警報が発令され、解除されたのは翌三〇日の午前２時４５分であった。初めての夜間爆撃。敵機の攻撃方法が都内の木造家屋密集地帯に対する波状無差別爆撃であったため、虚をつかれた形となった。神田地区では家屋の距離間隔がなく、一時多発の独立家財が無数に発生し、火勢は逐次合流していった。警防団員や隣組防空群の活躍はめざましかったが、ややむなしい作業となってしまったようである。
日本橋区本町２丁目付近の焼跡整理。