写真ユウスズミ(01) S1H0909004923

夕すずみ(1)

内容

1935(昭和10)年頃までは吉原には江戸時代の名残があって、ちょっとしたものだった。この写真は吉原遊廓にある仲之町の通りで夕涼みをしている芸者さんに惹かれて光陽がシャッターを押したものである。右手にある植え込みには、春は吉野桜、夏は掛け行灯、秋は菊人形といったように季節によって工夫が凝らされていた。また当時は、左手に摩擦発火式の閃光器を持って、マグネシウムをたいて写真撮影をしていた。そのためすぐ大騒ぎになるので、このときも警防団長や三業組合の役員の立ち会いのもとで光陽は撮影をしている。

原文