板橋・南千住には貧乏長屋があった。遊芸人の多くはこうした所に住んでおり、この細民街は、門付け芸人の本場と言われていた。このような長屋は、関東大震災で焼け出された人々を当て込んで、沼地を埋め込んでばたばたと押っ立てた感じで、雨の季節にはやたらとナメクジがでたという。