新日本ニュース第264号

1.再軍備をめぐって~各党大会~
ダレス講和特使の訪日を前に各党は、先に米政府が提案した対日講和7原則をめぐって、党大会を開き、再軍備問題などについて党の態度を決めた。
・第4回自由党大会
自由党大会は1月20日、千代田区永田町小学校で開かれ、吉田首相から講和問題・自衛権問題・治安対策などについて所信表明し、再軍備は国民の意思によると決議し大会を終えた。
大野伴睦 佐藤栄作
・第2回民主党大会
民主党大会は、1月20日、神田駿河台医師会館で開かれ、党青年部代表から提出された、自民連携など分派行動者の即時除名、参議院民主クラブ結成絶対反対の決議をめぐって議場は一時大混乱したが、日本は再武装すべきだと決議して大会を終えた。
苫米地義三最高委員長
・第7回社会党大会
社会党大会は1月19日から3日間、早稲田大学大隈講堂で開かれ、1月21日、平和3原則および再軍備反対を決議し、委員長には鈴木茂三郎氏を、中央執行委員の半数は左派が占めるなど、左派が主導権を握って大会を終えた。
片山哲最高顧問 浅沼稲次郎書記長
2.ヨーロッパ便り フランスパテー特約 SEF提供
・英仏海峡のにしん漁
英仏海峡ではにしん漁がたけなわ、荒波の中で寮史たちは網あげに余念がない。
・ロビンソン欧州で初試合(パリ)
プロボクシング世界ウェルター級タイトルマッチは、チャンピオンのレイ・ロビンソン(アメリカ)対ジャン・ストック(フランス)の間で、パリで行われたが、第2ラウンド、ロビンソンがノックアウトで勝った。
時の話題
3.法務府新庁舎落成(東京)
改修補修中だった法務府新庁舎が完成、1月17日落成式が行われた。同庁舎は明治21年独人技師の手で、7年の歳月を費やして建築されたが、今度の戦火で壁体のみを残して焼失したので、2年越しで改修したものである。
大橋武夫法務総裁
4.東洋一のタイヤ工場(久留米)
横尾竜通産相は、地方の産業視察のため1月9日、福岡県久留米市にある日本タイヤ工場(現:(株)ブリジストン)を訪ね、タイヤの製造工程を視察した。
5.最近医学二題
・無菌唾液の採取(大阪)
大阪歯科大学細菌学教室の梅本芳夫博士は、だ液腺から直接だ液を採る方法に成功した。採取された無菌状態のだ液は、結核菌やらい菌の培養液として使われる。
・抗ヒスタミン剤の開発(大阪)
アレルギー疾患に効くという抗ヒスタミン剤「ダン」が開発され、日新化学工業では、その製造にやっきである。
6.全日本学生スキー(青森)
第24回全日本学生スキー大会は、1月17日から5日間にわたって、青森県大鰐スキー場で、高松宮殿下のご臨席のもとに出場校29校の精鋭によって行われた。
7.寒修行
・佐女川神社の「寒中みそぎ」(北海道)
北海道上磯郡木古内町佐女川神社に伝わる「みそぎ」の行事は、毎年1月17日に行われるが、氏子から選ばれた4人の漁師の青年が、1月13日から神社にこもって、みそぎで身を清める。17日には、神主、みそぎを経験した先輩を先頭に笛・太鼓の音も賑やかに海岸に行き、4人の青年がみそぎをし御神体を清める。
・清水寺の水ごり(京都)
京都市清水寺では、極寒の中、信者たちは音羽の滝の水ごりで、無我の境に入っている。
・詩吟の寒げいこ(東京)
●山流詩吟の愛好家たちは、まだ明けきらぬ東京世田谷区根津山の山中で寒稽古に励み、寒空に向かって絶叫している。
New Nippon news No.264
映像のお問い合わせ
資料の利用については5階 映像・音響室のご利用にあたってをご覧ください。
- 担当:
- 図書情報部 情報検索係
- 電話番号:
- 03-3222-2574
- FAX:
- 03-5216-3152