映像アサヒニュース№1291 V1R0404202157

朝日ニュース第1291号

撮影年月
1970年(昭和45年)3月
コレクション(提供者)
朝日ニュース/戦後
撮影
発行
製作
朝日新聞社 日本映画新社
配給
東宝株式会社
時間
7分36秒
米国国立公文書館オリジナル番号
館内限定公開 色彩無 音声有 貸出不可
内容

1.万国博 幕開く
「人類の進歩と調和」その願いをこめて、大阪千里丘陵に花ひらいた日本万国博覧会。「こんにちわ」とお祭り広場に集った世界の仲間たちは、何と七十七ヶ国。
天皇陛下の喜びのあいさつが広がります。アジアで初めてのエキスポ賛歌です。身長十四メートル、ロボットのデメ君が吹き出す匂いの霧の中から可愛いい子供のブラスバンドが出てきました。お祭り広場では、世界中の人々が言葉や肌の色をこえて、歌い踊り、友情の輪が広がります。両陛下は、太陽の塔内部にある高さ四十五メートルの生命の樹を御覧になりました。未来に向って伸びゆく生命の力強さを象徴しています。モノレールに乗って、万博へ行こうと、何と初日に二十七万人の人の波です。おらが国さへでっかいおみやげをと目をきょろきょろ。さて、動く歩道に乗って、ハイ、アメリカ館はあちらですよと云われてきてみれば入るのに二時間待ち。アポロ十一号の着陸シーンは足跡までつける芸の細かさ、それに大きな月の石が光って、真っ黒な人の山です。負けてなるものかと、高さ百メートルもの大ホールを宇宙にみたてた、こちらはソ連館。ヴオストークをはじめ、ソユーズ四、五号の模型を並べて、さながら万博宇宙競争です。チェコは、ガラス芸術の国。パビリオンは、まばゆいばかりのガラスのお城です。世界最大のガラスの彫刻に皆んなうっとり。メキシコ館は石の芸術。太陽の国、メキシコが生んだ最高の傑作、これは太陽の石、アズテツクカレンダーです。メイドインジャパンの太陽の塔が見下ろす会場は、様々な知恵と技術が結集されたエキスポ未来都市です。未来の住宅は天井からテーブルが下りてきたり、テレビ電話も付いています。お昼には、世界中の料理が味わえるとあって、どこも満員です。大きな壁面に沢山のガラスを張って、人気を集めるのは、カナダ館です。記念写真にはうってつけ。虹の塔では、煙の芸術が見事なものです。映像技術を駆使した映画も見ものです。大きな画面にあふれるばかりの映像はオーストラリア館。日本館は、八面スクリーンに、「日本と日本人」のテーマが広がります。半球型ドームの天井全体がスクリーンのアストロマは、どこを見て良いのか目がくらみます。それならばと、お客さんを回転させて映画を見せる館もあります。やっと解放されて外に出ると、場内タクシーがエキスポランドへ案内します。巨大なジェットコースター「ダイザラザウルス」や、急流すべりなど、子供ばかりでなく、大人も夢中になれる遊びの天国です。夜に入って、お祭り広場の華やかなライトの下で、阿波踊りに、外国人も混えて大騒ぎです。夜の闇に各国のパビリオンの照明が、まばゆいばかりに光の芸術を競いあっています。国境を越え、世代を越え、世界が一つとなった万国博は、これから六ヶ月に亘って、数千万の人々で賑うでしょう。

原文

Asahi news No.1291