映像アサヒニュース№1006 V1R0404202154

朝日ニュース第1006号

撮影年月
1964年(昭和39年)10月頃
コレクション(提供者)
朝日ニュース/戦後
撮影
発行
製作
朝日新聞社 日本映画新社
配給
東宝株式会社
時間
9分12秒
米国国立公文書館オリジナル番号
館内限定公開 色彩無 音声有 貸出不可
内容

1.今週のアングル
 五輪ムードの中で 東京オリンピックに遠来のお客さんたちをむかえて一億火の車。おばさんたちも競技場近くで紙くづ拾いをはじめました。移動トイレはいそがしげにかけずり廻っています。浅草の商店街では茶屋をしつらえ、たすき姿もかいがいしい下町娘がいたれりつくせりのサービスです。競技場は連日超満員。一生の思い出とコンクリートの間から場内をかい間みる人もいます。茶の間のテレビに釘づけされて、入りはさつぽりとなげくお風呂屋さん。幼稚園のよい子たちはテレビの競技をみて水泳、陸上のフォームをまねて大はしゃぎ、選ばれた三人の優勝者はメダルを首に飾り、オルガンの君が代で感激にひたるシーンまであります。あかあかと聖火の燃える深夜の競技場。遠くギリシャから運ばれた聖火。私たちに大きい感銘を与えてオリンピックは今たけなわです。
2.オリンピック東京大会 第二報
 水泳競技の第三日目、女子一〇〇メートル自由型決勝で二十七才のフレーザー(濠州)はオリンピック記録五十
九秒五のタイムで優勝、オリンピック三連勝をなし遂げました。男子百米自由型で五十三秒四で優勝したショランヂー(米)は四つの金メダルをとる活躍ぶりをみせました。日本期待の田中聡子さんは日本記録の力泳も及ばず、ついにアメリカの若いエネルギーに屈しました。華やかな国際色にいろどられた超満員の国立競技場、注目の男子一〇〇メートル決勝で、ヘイズ(米)は一〇秒〇でゴールインしました。ルーマニヤのバラシュは一メートル九十を一回でクリヤー、「女王」の健全を示しました。一方棒高とび決勝は十八選手で争われ、最後にのこったのはハンセン(米)とラインハルト(独)。延々九時間を越す大熱戦の末、ハンセンが五メートル十をクリヤーして優勝しました。一方駒沢のレスリング場では日本チームが健闘を続け、バンタム級の上武フライ級の吉田、外国選手からアニマルとおそれられるフェザー級の渡辺等、息もつかせぬ速攻で攻めぬき、堂々金メダルをかちとりました。ローマの惨敗から四年目、グレコも併せて五つの金メダルを獲得したレスリングチームは不振の日本チームの中で大いに気を吐きました。

原文

Asahi news No.1006