新日本ニュース第260号

1.米第八軍司令官　ウォーカー中將　戦死
　朝鮮戦線で指揮をとっていた米第8軍司令官ウォルトン・H・ウォーカー中将は12月23日、京城北方でジープ事故のため死亡した。遺体は24日、羽田空港に到着、横浜市根岸旭台の留守宅に向った。このころ、マッカーサー元帥の強硬論を抑えつつ、米政府は朝鮮撤退を考慮せざるを得ない瀬戸ぎわにいた。
2.ルポルタージュ　トラピスト修道院（北海道）
　トラピスト修道院では、60人の男ばかりのカトリック修道者が世間と没交渉で、日夜、厳しい修業を続けている。厳寒の中での修道者たちの日常を紹介する。明治29年開設以来、初の公開フィルムである。

時の話題
3.第一二九回対日理事会（東京）
　第129回対日理事会は、20日午前10時、丸ノ内の明治生命ビルで開催され、米国側から「有罪の判決を受けたソ連に抑留された日本人捕虜の取り扱い」と、ソ連側から「日本の民主化について」の2つの議題が提出され、その議題を取りあげるかどうかで討議を終了した。
4.街へでたラジオ・ドクター（東京）
　NHKのラジオ・ドクターは、聴取者サービスの一環として、22日から5日間、都内の保健所を巡回し、健康相談に応じた。
5.照国丸進水（兵庫）
　照国海運発注の第5次タンカー照国丸（1万8.000トン）は、23日、播磨造船所で進水した。来年3月末完成する照国丸は戦後最大のタンカーでびょうを使わずに全部溶接なのが特徴である。

6.盲聾学校の火事（岡山）
　12月20日午前2時15分ごろ、岡山県立盲学校・同ろう学校の寄宿舎から出火、木造2階建の寄宿舎、職員住宅など2むね346坪が全焼した。この火事で、ろう学校の生徒16人が逃げ遅れて焼死した。
7.一九五〇年を送る
　バタ屋さんの地区「アリの町」でもクリスマスの飾りつけをして、大人も子どももクリスマスを祝った。街頭は風変りな署名運動や救世軍による社会なべでにぎわい、あいかわらずの不景気のうちに今年も暮れようとしている。
8.兎の村（長野）
　来年はうさぎ年。アンゴラうさぎで有名な長野県小県郡滋野村（昭和33年4月東部町）では農家の副業としてうさぎを飼い、貴重な現金収入となっている。

New Nippon news No.260