新日本ニュース第253号

1.文化の日
・文化勲章授与
　11月3日の文化の日に皇居内で7人の人々に第9回文化勲章が授与された。日本画の小林古径、詩人の土井晩翠、作家の正宗白鳥、刑法の牧野英一、生物学の藤井健次郎、金属物理学の三島徳七、哲学の田辺元の7氏で、この年から受章者百万円が贈られることになった。
・放置される文化財
　華やかな文化の日の行事をよそに、長野県の国宝、松本城修理工事は細々と続けられ、奈良の東大寺に近い700年前のライ患者の収容施設十八間戸には家のない人々が住みつき、13世紀の社会事業家僧忍性の史跡はかえりみる人もいない。
2.臨時国会をひかえて　電力再編問題で松永氏の証言（神奈川）
　衆議院考査委員会は電力再編にからむ献金問題で、11月7日、小田原で病気療養中の前電力再編審議会委員長松永安左衛門氏を訪れ、証言を聴取した。

時の話題
3.海底から砲弾（福島）
　福島県小名浜海岸では11月に入って廃品回収業者が海底から砲弾を引き揚げ、ちょっとしたにぎわいである。これは朝鮮戦争に伴う「金ヘン景気」の一断面である。
4.動物目方くらべ（東京）
　11月5日の日曜日、東京上野動物園では七面鳥をはじめ、象のインディラさんまで目方を量った。
5.打撃王ディマジオ（東京）
　ニューヨーク・ヤンキースの打撃王ジョー・ディマジオ選手は11月3日、後楽園球場に現れ、国鉄スワローズの守備でフリーバッティングを披露し、満員のスタンドの拍手を浴びた。

6.早大優勝　東京六大学リーグ
　11月6日、神宮球場の早慶2回戦で早稲田が連勝し、秋季リーグ戦に優勝した。この試合、天皇・皇后両陛下が昭和4年秋以来2度目の観戦におみえになった。
7.離農者つずく（つづく）開拓地（北海道）
　10月14日、広川弘禅農相は北海道の開拓地を視察した。ここは戦災者・引き揚げ者が3年間の生活保証という条件で入植したもののから約束で、その苦しい生活を農相に訴えた。上川郡温根別村（昭和29年7月士別市）の開拓地区では、耐えきれなくなった人々が次々と離農していく姿がきょうもみられた。

　

New Nippon news No.253