新日本ニュース第234号

1.カッパの天国
　中央気象台は6月27日、梅雨明けを発表し、水のシーズンに入った。東京・隅田公園のプール開き。
2.難局打開に大改造
　～吉田内閣大改造～
　吉田首相は、4月以来、党役員・内閣閣僚の更迭をすすめ、官僚の登用による渉外力の強化と党内対立の緩和を図ってきたが、6月28日、池田大蔵、天野文部、増田建設を除く全閣僚の更新を行った。
3.底知れぬ公団の罪状（東京・千葉）
　公団不正事件は上層部にも波及し、警視庁は6月24日、肥料公団の鈴鹿総裁らを取り調べた。公団不正事件の捜査は7月上旬に一段落したが、15公団のうち摘発されなかったのは繊維貿易公団のみだった。
時の話題
4.「アカハタ」など発行停止（東京）
　マッカーサー指令により政府は6月26日、共産党機関紙「アカハタ」の30日間発行停止処分を行った。「アカハタの朝鮮に関する報道が事実に反し、在日韓国人の不安をかきたてている」という理由であった。
5.またも競輪　八百長騒ぎ（埼玉）
　埼玉県川越市主催の村山競輪で6月27日、ビリとみられた選手が1位となったことから3.000人の観衆が「八百長」だと、焼き打ち・投石をはじめ、騒ぎは翌朝まで続いた。
6.中央線で貨車転覆（岐阜）
　6月24日午後5時ごろ、中央線武並－大井間の岐阜県恵那郡長島町内で貨物列車が脱線し、前部機関車と後続貨車23両が脱線した。この事故で機関士ら4人が負傷した。
7.東京と京都の自由労働者
　日雇い労務者のアブレの増加は、4月以降求職闘争を激化させていた。朝鮮戦争開始、半共政策強化のこの時期に、日映は日雇い労務者対策の違いをカメラ報告することにより、保守都政と革新府政の相違を伝えようとしている。京都では市電の割引券の配布。
8.朝鮮の内戦をめぐって　
　～朝鮮動乱始まる～
　昭和25年6月25日早朝、朝鮮半島の38度線付近の数か所で、韓国軍と北朝鮮軍の間で戦火が開かれた。「日本ニュース」は、ロイター電の原稿により「両軍が衝突し」と書いたが、フィルムを提供したCIEから呼び出され「北からの越境侵入だ」と扱え、と激しい剣幕で警告されたという。（『激動の昭和』「日本ニュース」記録委員会編）

New Nippon news No.234