映像キノクニスケッチ ~ショウワショキノワカヤマ~ 資料番号:V1R0222201776

紀の国スケッチ~昭和初期の和歌山~

撮影年月
1937年(昭和12年)~1938年(昭和13年)
コレクション(提供者)
映像タイムトラベル
撮影
発行
製作
ドキュメンタリー工房
配給
時間
米国国立公文書館オリジナル番号
館内限定公開 色彩有 音声有 貸出不可
内容

〔未来に生かす記憶〕
 昭和12年~13年に撮影された二つの作品で、紀の国・和歌山の昔を巡るタイムトラベル。懐かしい故郷の風景、そして日本の原風景にもふれる旅だ。山あり、海あり、大自然をキャンパスに描かれた、紀の国の映像スケッチを楽しむ。
 まずは昭和13年に撮影された南紀旅行。撮影は、大阪の鹿嶋和歌彦さん。熊野詣に始まって、那智滝、大島など、和歌山の見どころを網羅した映像ガイドブック的作品。乗合バスやプロペラ船、干物が並ぶ漁村のひなびた風景も懐かしい。弘法大師の伝説で知られる橋杭岩のそばに鹿嶋さんの別荘があり、ここを拠点にあちこちへ精力的に足をのばし、撮影されている。中でもマグロ漁を写したものは圧巻。無声映画風に字幕を入れた力作だ。大きな獲物を釣り上げ満面の笑みを浮かべる漁師たち。ほら貝の響く漁村。興味深げに見守る人々、生き生きとした暮らしの情景が浮かび上がる。
 後半は昭和12年に制作された「山の日高」という作品を見る。御坊小学校の先生たちが教材用に作ったもので、自然の恵みを通して郷土の産業や生活に触れようというもの。2部にわかれていて、今回紹介するのはその続編。木炭作りや椎茸栽培、日高川と暮らしの関わりを描いている。
 炭焼き小屋から伸びる煙突、俵を担いで山を下る人々、袋いっぱいの椎茸など「木の国」和歌山らしい山の表情が続く。日高川の河口には野菜を運ぶ小舟が集まり、●を踏む姿や筏流しも懐かしい。
 様々な風景が失われ、また生み出されていく時間の流れのなかで、何気ない時代の表情もまた歴史を彩っていく、そんな思いにさせるタイムトラベルだ。

1.「南紀の旅」
・「南紀の旅」昭和13年3月
[中辺路 朝来より湯の峰へ]熊野自動車 湯の峰温泉 つぼ湯 
[本宮 瀞峡 鬼ヶ城]熊野坐神社(熊野本宮大社) 熊野川 プロペラ船 瀞八丁 あすか号 飛行艇 鬼ヶ城 
[天然記念物 橋杭岩]串本 奇岩 
[潮岬灯台 塩崎神社 伊串の浜]潮岬灯台 潮御崎神社 伊串海岸
[古座峡 七川村 湯の鼻温泉まで]つり橋 学生 明神橋 神水瀑 川下り トンネル 古座峡 天柱岩
[古座より 那智の瀧 勝浦 湯川温泉へ]港 漁村 干物 下里 車窓風景 熊野那智大社 那智滝 勝浦港 船 湯川駅 湯川温泉 太鼓橋 ゆかし潟 

2.「南紀の旅」続・「山の日高」
「南紀の旅」続き
[戻って 橋杭 漁師町 風物詩]姫ノ松原 姫ノ海岸 網の手入れをする猟師たち 木造船の補修 干物 
[串本節で名高い大島一周]串本節 大島 樫野灯台 奇岩 船 
[皆様の食前に上るまぐろは斯うして釣られる]漁船 猟師 
[夜明け頃][あたった][かくて人対魚の格闘がすんで][陸上げすんではらわた抜かれ入札に付される]大漁旗 陸揚げされたまぐろ 
[こんな大きな釣針やえさですからたまりません]釣針をかかげる猟師 まぐろを天秤棒で運ぶ男性たち 計量 勝浦のまぐろ

・「山の日高」昭和12年
[山地の人々はこの山間を流るる川のほとりや山すそなどで田畑をこしらえて農業をしますが][主な産業は林業です それで其の産物は][第一に木材]いかだ流し
「山の日高」御坊小学校映画部制作 撮影塩路純久 寄贈田畑昌平
 昭和11年撮影の記念写真 教員たち
[次は木炭][炭焼き小屋][炭になる木は]ウバメガシ[やく様子]炭作り[やけ終ると]炭俵を運ぶ人々 木馬道 炭俵の運搬 
[あちらこちらからと集まってくる木炭は]地図 
[御坊の商人の手で]炭問屋 木炭店 炭を保管する倉庫 船に炭俵を積み込む 
[船でつみ出されます]出荷 地図 海上輸送 
[このふくさんぶつの醋酸は炭を焼く時の煙から]木酢液(もくさくえき) 
[製品][椎茸の栽培も一つの仕事]美山村 原木

3.「山の日高」続
「山の日高」の続き
日高港 大根 筏流し 材木の運搬
[此のように色々のものを運んで「交通の便」に役立ててくれます 又]水車 大根を洗う女性 洗濯 楮を洗う男性
[このように「用水」をあたえてくれ 又]鳥 釣り人 漁 
[おさかなのおやどにもなります それよりも大切なこと]水車 農業 田植え 
[このように田に水をあたえて「灌漑」という仕事もしてくれます もっと大きな役目は上流になると]日高川
[このように流れが急である それは][山地を流れるから その急な流れを利用して電気を起こします]船津の堰堤 高津尾発電所
[こうして起こした電気は][自分たちの町や家に送られて]商店 該当 スズラン灯 自宅 扇風機 アイロン 照明 紡績工場(日の出紡織)
[いろいろに使われます 日高川で発電されたものは][このように方々へ送られます 中でも和歌山へ送られた電気は]

協力:鹿嶋ひさゑ 西浜久計 御坊市教育委員会 著作:ドキュメンタリー新社

原文

デジタルアーカイブ
映像のお問い合わせ

資料の利用については5階 映像・音響室のご利用にあたってをご覧ください。

担当:
図書情報部 情報検索係
電話番号:
03-3222-2574
FAX:
03-5216-3152