瀬戸内物語 ~1960年代~

〔見ればむかし〕
昭和30年代半ばごろに製作された「瀬戸内海」と「紺青のふるさと」の2本のフィルムを通してのタイムトラベルだ。カラー映像だが時の経過が影響してかなり褪色しているのが惜しい。「瀬戸内海」でナレーションを担当しているのは若き日の高橋圭三アナウンサーである。
訪ねるのは小豆島や高松・粟林公園、象頭山金比羅大権現、松山の道後温泉。さらに瀬戸内海を船で旅し、別府に行くと思えば嗚門の渦潮見物もする。大嗚門橋はまだなく自然のままの嗚門には見事な渦潮ができている。そして徳島の阿波踊り。すべてをあの高橋圭三の案内で見て歩ける、ちょっと豪華なタイムトラベルである。
「紺青のふるさと」は家島群島と淡路島の沼島(ぬしま)の生活を克明に記録したものだ。姫路の飾磨(しかま)港から家島本島への連絡船が唯一の交通機関。男鹿(たんが)島や西島への郵便船、また小島への渡し船など、のどかな時の流れを感じさせる。船頭さんの日に焼けたシワ深い表情が素晴らしくいい。力を合わせる鯛網漁、年に一度の大きな祭礼などもダイナミックな見どころだ。
淡路島の南の海上に、神様の忘れ物のような曲玉の形で置かれているのが沼島だ。小さな島の小さな路地で、遊ぶ子供がまだかなりの数見られた時代である。盆休みになると一気に膨れ上がる島の人口。都会の匂いをいっぱい運んでくる若者たち。見ていると心が弾んでくるようだ。子供たちが口ずさむ童歌に、日本のふるさとはこれだったのだ、としみじみ感じさせられる旅だ。
1.「瀬戸内海」
・製作:関西映画株式会社 朝日通信株式会社
香川 マンモス象の化石 大山祇神社 鎧兜 漁船 網の手入れをする漁師 浜辺で貝を探す子どもたち
春 段々畑 果樹園 キンセンカ 桜 ツツジ
夏 海水浴 一本釣り 漁師
秋 小豆島 オリーブ 伊予柑 寒霞渓の紅葉 大阪港 神戸港 定期航路 客船の出航 船内 輪投げ 食事 小豆島の港に着岸 二十四の瞳像 子どもたち 猿山 石工 お遍路さん 巡礼
備讃瀬戸 高松港 高松 栗林公園 玉藻城 屋島 ケーブルーカー 屋島山頂 籠屋 壇ノ浦
2.「瀬戸内海」続
香川 金刀比羅宮 参拝客 讃岐富士
愛媛 松山城 道後温泉 土産物屋 ミカン
広島 鞆の浦 弁天島 大漁旗 鯛網 桜鯛 鯛の窯焼き 除虫菊(因島) 耕三寺(生口島) 厳島神社(宮島) 雅楽陵王舞
大分 別府 温泉旅館
四国 鳴門海峡 観光船
徳島 阿波踊り 徳島駅前
3.「紺青のふるさと」
・STORK LIBRARY NO.7 制作:兵庫県広報課 撮影:読売映画社
瀬戸内海空撮 家島本島 家島港 漁港 連絡船 井戸水のくみ上げ 路地 渡し船 船頭 自転車の学生 家島小学校新校舎 プール 水泳 木造船で往診する医者 郵便局 男鹿島・西島行郵便船 男鹿島に届けられた郵便船造船所 灯台員 漁業調査船(調査・検査・観測) 西島・防勢島
天神社祭礼(家島) 獅子舞 夏祭り だんじり船
沼島(淡路島) 上立神岩 屏風岩 漁場 魚市 漁師 盆の帰省 墓参 子どもたち
資料協力:兵庫県 読売映画社 古林義雄
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