関西山歩き -8ミリカメラに魅せられて-

昭和30年(1955)頃はハイキングが盛んで老いも若きも野山に入り自然を楽しんだ。ただ「歩く」だけでは今の若者から見れば魅力のある遊ひだとは見えないようだか当時の若者にとっては青春そのものだった。ある銀行では月に1回必ず関西の山々を歩くハイキングが計画され、多い時には100人を越えたという。雨が降っても人々は集合して歩いた。
清水保さん(当時22歳)はこの会員だった父親について8ミリカメラをまわし続けた。奈良の壺阪寺から高取城跡、秋色の岩湧山、和歌山の生石山、紀泉国境、東六甲、伊吹。山ではないか天の橋立、京の洛北など当時の山々と人々の姿がある。山歩きをしているうちに清水さんはほとんどの人々に知られていない槙尾山施福寺の奥の院、光滝寺を見出だした。その魅力にとりつかれ河内長野を長野とだけ言って家族を連れ出し12キロも離れた道なき道をたどって案内したという。「私はカメラマンになろうとかコンクールに出して賞を取ろうと思ったことは一度もない。自然の中で色々な仲間と交流できること。後の試写会で喜んでもらうことを楽しみにカメラを廻した。そしてあの頃は平和でのんびりしていた。新幹線が走り、オートマチックカメラができて世の中は忙しくなった。8ミリカメラの方がよくて、ビデオになってから撮影をやめました」と語っている。
1.関西山歩きⅠ
談:清水保さん
・「山桜を探ねて」昭和31年4月1日
「風薫る高取山へ」昭和31年5月13日
列車 壷阪山駅 ボンネットバス 壺坂寺 五百羅漢 国見平 山頂で昼食 高取城趾
・「秋色の岩湧山へ」昭和31年9月23日
紀見峠駅 南海高野線 大平茶屋跡 岩脇山頂 弁当 山岳会の歌 下山
・「あかつき会大和川にて」昭和31年10月7日
水上飛行機(晴嵐)の模型
2.関西山歩きⅡ
・「第11回」昭和31年12月9日
京都 京阪電車 愛宕山鉄道跡 高山寺 京都市電 金閣寺 銀閣寺 自動車
・「師走の例会」昭和31年12月16日
芦屋ロックガーデンへ 六甲連山 豚汁作り 芦屋ロックガーデン風吹岩 地獄谷入口
3.関西山歩きⅢ
・「生石山に登る 三和山岳会」昭和32年8月25日
旅館を出発 野上電鉄 生石口駅 ボンネットバス 生石山山頂 生石高原 礼立峠
・「三石山」昭和33年11月23日
高野線 御幸辻駅 三石山
・「六甲山集中登山」
阪急電車 アコーディオン演奏 くじ引き 景品授与 六甲ケーブルカー
・「紀泉国境へ」昭和34年4月12日 19日決行
槙尾山施福寺 三角点櫓 七越峠 石仏 光滝寺
(清水保提供)
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