むかし庶民の娯楽(たのしみ) ~昭和初期~
〔見ればむかし〕
お寺や神社にお参りするといえば旅が許された昔。人々はお参りをしたあとの精進おとしを楽しみに旅をした。
昭和の初期にもそんな影は残っていて、旅の名目はまず神社詣で。四国の善通寺や屋久島、阿武兎観音、竹武島巡りなどからこのタイムトラベルは始まる。パート2では体を動かして楽しむもの。当時の運動会が見物だ。今はないゲームの数々が楽しめる。大学生のボランティア活動風の子供会は同志社の城南会。これは昭和6年の記録だが、その時に参加していた指導員の方が健在で当時の事情がよくわかる。瀬田川のボートの練習風景では琵琶湖周航の歌をバックに当時をしのぶ。登山も今とはずいぶん違う。比良山系をまるでわが庭のごとく、心から楽しむ人たちの表情が素晴らしい。
パート3では見て楽しむ娯楽を集めてみる。まず浪速おどり。大阪の4つの花街がそれぞれに持っていた春の踊りの中から北新地のものを見る。当時は生演奏でこの映像に曲が録音されていないのが残念だ。明治15年から始まったこの踊りが後の宝塚少女歌劇へと発展したという説もある。関西の見る楽しみに欠くことの出来ない祇園まつりももちろん登場する。昭和12年の祭りだ。この他高山彦九郎まつりや、昭和10年の阪神競馬場など話題満載の娯楽特集だ。
1.昭和初期の娯楽Ⅰ
・旅行 寺社仏閣へ参拝 観光の様子
・「高松行」弘法大師 一千百年御遠忌 於善通寺(昭和11年4月)
佐世保鎮守府指定旅館 栗林公園 屋島台 談古嶺 壇ノ浦 五剣山 坂出港
・「鞆元 阿武兎観音巡り」(昭和11年4月)
鞆の浦 遊覧船 宮島厳島神社 彌山本坊大聖院 山陽本線 蒸気機関車
・琵琶湖 竹生島 船 天台宗宝厳寺
・錦帯橋 動物園
・「奈良」(昭和5年2月11日)
興福寺五重塔 春日大社 鹿 飛火野 東大寺大仏殿
2.昭和初期の娯楽Ⅱ
・「祝賀運動会」
精常園祝賀運動会 大玉転がし リレー 玉入れ 綱引き ダンス パン食い競争 仮装行列
・「オールの響き」
ボート部の練習 瀬田川
・「同志社大学 城南会」
ボランティア活動 桃山夏期学校 菊花女子高等学校
登校風景 合同体操 野球 バスケットボール 生徒作品 書道 指導員の集まり 奈良電停留所 木津川水泳場 体操をする子どもたち 滑り台 水泳大会 スイカを食べる子どもたち 帰路の様子
・比良登山 比良の暮雪 ロッククライミング
3.昭和初期の娯楽Ⅲ
・「浪花おどり」(昭和12年)
今昔夢絵姿 第一黎明の歌 第二白鳳散華 第三釣殿御遊 第四醍醐花宴 第五西鶴五人女 第六江戸錦絵 第七泰平舞曲
・「京都祇園まつり」(昭和12年7月)
鉾 多くの見物客
・高山彦九郎祭 熊野少年勤王隊
・阪神競馬場(鳴尾) トロッター競走 繋駕速歩競走
資料協力:田渕宇一郎 同志社大学広報課 阪神競馬場