映像ハンセイキマエノガッコウ V1R0222201687

半世紀前の学校

撮影年月
1935年(昭和10年)~1945年(昭和20年)
コレクション(提供者)
映像タイムトラベル
撮影
発行
製作
ドキュメンタリー工房
配給
時間
46分44秒
米国国立公文書館オリジナル番号
館内限定公開 色彩有 音声有 貸出不可
内容

 1935年(昭和10年)から、1945年までの子供たちと学校教育を紹介する。この時代の日本は満洲事変(1931年)や日中戦争が示すように、ファシズムが台頭、中国への武力進出が行われ、戦争への道を突き進んでいた。
 こうした状況は子供たちの遊びや学校教育に色濃く反映する。まず映像は子供たちの兵隊ごっこから始まる。「少年部隊」と「突撃隊」は隊旗をめぐって戦闘を開始、旗を奪い返した少年の名誉の死で終わっている。
 当時の日本の学校では米づくりを基本とする農業園があり、高知県の大篠村大篠小学校では四季折々の自然を愛でる教育と校庭に畑をつくって作物を育て、商う実生活に密着した教育が行われている。
 次に昭和12年5月9日京都で行われた学童オリンピック大会を紹介する。植物園グランドで京都市内の子供たちが砲丸投げ、3段飛び、籠球投げなど今は競技種目でなくなった競技も行われている。太平洋戦争末期の昭和20年国民学校と呼ばれた小学校では戦火を逃れるため都会から農村部へ集団疎開が行われた。京都市内の竜池小学校から綾部市の吉美国民学校へ疎開した子供たちの生活を紹介する。この他にニューヨークや上海の子供たちや、大阪羽衣中学園の遠泳風景なども紹介する。

1.タイトル、オープニング
 少年たちの兵隊ごっこ。

2.我等の大篠
 高知県大篠村の小学校を紹介。大篠尋常小学校の入学式。ねんねこ姿の母親に連れられてくる新入生。天秤棒体操をする高等科の女子生徒。遠足の様子。畑仕事をする教員、野菜を育てていた。運動会で体操やダンス、徒競走、リレー、綱引き、相撲をする児童たち。卒業制作の作品発表、雪で遊ぶ子ども。
 学校の一日。登校、校門で敬礼、始業のベル、たわしまさつ(乾布摩擦)、割烹着を着て朝礼、体操をする女子生徒たち。休み時間の拭き掃除。運動時間にはボール遊び、鉄棒で体を動かす。女子は裁縫の授業で運針(うんしん)の練習、お弁当、料理実習、洗濯、洗い張り、伸子張り、お作法、食事の出し方、髪の結い方を習う。男子は跳び箱、鉄棒、倒立、相撲など体を鍛えるの授業を受けている。農作業の授業もあり、畑で作った農作物を売りに行く児童たち。

3.日出新聞 ローカルニュース「学童オリムピック 大会の実況」
主催:京都日出新聞社 日時:昭和12年5月9日 場所:植物園グラウンド
京都市内の尋常高等学校58校が参加した学童オリンピック大会(体育競技大会)の映像。
開会式では参加校の入場、吹奏楽の演奏、国旗掲揚、来賓挨拶、選手宣誓が行われた。
競技種目。フィールド競技では砲丸投げ、三段跳び、走り高跳び、籠球投げ、走り幅跳びが行われ、トラック競技では短距離走、ハードル、50メートル走、100メートル走、20メートル走、400メートルリレーが行われた。
表彰式で優勝旗、トロフィー等を授与される選手たち。

4.学童疎開児と共に 吉美国民学校
 昭和20年、集団学童疎開の児童を受け入れた、何鹿郡(いかるがぐん)吉美(きび)国民学校の映像。
 二宮金次郎の像が建っている。学童疎開で来た児童との対面式。疎開してきた京都市龍池国民学校の児童の挨拶。
 疎開児童は寮生活をする有岡寮で荷物を広げる。農作業をする児童たち。収穫した枝から枝豆を取っている。児童の服には名札が付けられている。記念撮影のために並ぶ子どもたち。

5.よりよき明日のために~アメリカの子供たち~
 ・アメリカのニューヨークの小学校教育の映像。
  高層ビルを眺める子ども。眺めた景色を絵に描く。
  本の読み聞かせをする教師。教師と児童のやりとり。積み木で遊ぶ子ども。おもちゃの取り合いになる男の子たちの間に教師が仲裁に入る。牛乳を運び、配膳する。

 ・居留地 上海の小学校
  上海に在住していた日本人の子どもが通う小学校。

 ・遠泳を学校行事に
  大阪府高石市羽衣学園の水泳大会の映像。
  海で泳ぐ女子生徒。海に入れられた果物を取る生徒たち。バレーボールをする女子生徒。


「吉美国民学校、羽衣中学、学童オリンピック」 (田渕宇一郎提供)
「よりよき明日」 
「上海日本人学校」  (和田七郎提供)
「少年部隊」     (岡彦太郎提供)
「我等が大篠」(高地県立視聴覚センター提供)

原文