米どころ秋田だより

〔見ればむかし〕
高山植物が咲き乱れ、世界でも珍しい泥火山のある八幡平が国立公園に指定されたのは昭和30年(1955)である。昭和29年は空前の米の豊作で日本は戦争の痛手を回復、高度成長に向けて離陸しようとしていた。
重工業化が進み、農家からの出稼ぎ、中学卒業生の都会への集団就職が始まった頃である。農業県米どころ秋田では、集団就職組を送りだしたり、出稼ぎに出た男性に代わって主婦達が消火訓練や新生活連動に、積極的に参加している。
こうした秋田県の人々の姿を昭和31年から33年までの秋田県政ニュースから紹介する。
1.米どころ秋田だより昭和31年~33年 Ⅰ
・「活躍する婦人消防隊(西目村)」(昭和31年5月)女性だけの消防団が防火演習を行っている
・「小畑知事 本年初の県内視察」(昭和31年5月)4/14~5/8まで県内の道路の補修工事や稲の栽培状況を視察した小畑勇二郎知事
・「夏井選手 晴れの郷土入り」(昭和31年5月)世界柔道選手権大会で優勝を果たした夏井昇吉選手が秋田市内をオープンカーで一周した
・「備えあれば憂えなし~水防訓練~」(昭和31年5月)水防総合演習は大曲市で豪雨のため雄物川が増水し堤防決壊という想定で行われた 秋田駐屯自衛隊も参加
・「干拓を待つ八郎潟」(昭和31年5月)
・「河野農相 八郎潟を視察」(昭和31年6月)河野一郎農林大臣が八郎潟干拓事業計画のため現地を視察
・「健康を守るレントゲンカー」(昭和31年7月)県では結核をなくすためレントゲンカーを運用 無医村の人びとが診察を受ける様子を映している
・「鹿島流し 仙北地方」(昭和31年7月)豊作を願って行われる仙北地方の鹿島流し
・「明るい社会へ 県警察発足二周年」(昭和31年7月)集団や交通機関を利用した犯罪の増加に対策を取る県警察 パトロールカー
・「大館市の大火」(昭和31年8月18日)東大館駅前付近から発生した火災は大館市中心街に広がり、1300棟を焼き約4000人が家を失った
・「八幡平 国立公園に指定」(昭和31年)7月28日、秋田・岩手の両県知事が1600mの頂上に記念塔を設置 玉川温泉、各所に広がる噴火口、もうせん峠、後生掛温泉、八幡沼のほとりの残雪、高山植物など八幡平の見所を紹介
2.米どころ秋田だより昭和31年~33年 Ⅱ
・「第一回県文化功労者の表彰」(昭和31年11月)
・「県鎧畑発電所の竣工」(昭和31年11月)11月19日発電を開始した県営鎧畑発電所
・「冬近い開拓地」(昭和31年11月)国立公園十和田湖を囲む高原を開拓した地にはアワ、ヒエ、麦などが作付けされている 開拓地の子どもたちが通う山の中の分校の授業風景
・「小野選手 晴れの郷土入り」(昭和31年12月)メルボルン大会で優勝した体操の小野喬選手が凱旋 体操選手公開演技も開催され、小野喬選手はじめ竹本正男選手、池田敬子選手、関玲子選手も演技を披露した
・「冬の間泊って勉強 由利村」(昭和32年1月)雪深い由利村の子どもたちは分校に通っていたが、冬の間は本校に泊まって勉強することになった 起床からラジオ体操、朝食、授業風景、炊事、家畜の世話をし、夕飯を食べ就寝するまでを記録している
・「除雪にグレーダー活躍」(昭和32年1月)豪雪地帯をグレーダーやブルドーザーで除雪する様子
・「地すべり、火災、相次ぐ災害 鳥海村・神岡町」(昭和32年4月)4月24日に地すべりが発生し住宅約20棟や田畑に甚大な被害が出た 県の要請により自衛隊300名も復旧作業に参加 5月10日には神岡町で300棟を全焼する大火が発生 消防団の消火活動
・「村の放送局 横手市朝倉」(昭和32年5月)戸数200戸の農村で、県内初の農事放送が始まった
3.米どころ秋田だより昭和31年~33年 Ⅲ
・「新大臣のお国入り」(昭和32年7月」秋田県出身の根本龍太郎建設大臣と石田博英労働大臣がお国入り 県知事室での記者会見と祝賀会の様子
・「町にも村にもサイロづくり 秋田市下新城・金足」(昭和32年8月)乳牛のエサを貯蔵するサイロを作る
・「すわ家事!!県内各地で消防訓練 秋田市土崎」(昭和32年10月)県内各地の消防訓練の様子 ポンプ車 バケツリレー
・第80回秋田県種苗交換会(昭和32年11月)横手市で開かれた種苗交換会に多くの農家が参加 会場では作業着や外出着のお披露目や、農家から知事さんへ一言というテーマで街頭録音も行われた
・栄養指導者が県内各地を巡回(昭和32年10月) 安くておいしい栄養食の知識を広めるために、ガス・水道・冷蔵庫が備えられた車で栄養指導者が各地を回り指導した 栄養士の作るメニューを学ぶ主婦たち
・秋田市の保健所にて美容師の試験を実施 美容薬品の調合、パーマなどヘアスタイルからメイクアップまでテストが行われた
・「就職への近みち 公共職業補導所」(昭和33年1月)中学校や高校を卒業して就職する人のために、秋田市をはじめ県内8か所に公共職業補導所を設け毎年入所生を募集 木工や建築、板金や溶接、電気などを学ぶ入所生 女子が学ぶ洋裁科では、裁縫やミシンを学び子供服から紳士服まで作れるようになる
・「エプロン合唱団 秋田市」(昭和33年1月)お母さんたちによる合唱団が子どもたちの前で発表会
・「ようこそ李徳全さん」(昭和33年1月)戦時中に秋田県内で亡くなった中国人の遺骨送還の御礼に来県した李徳全さんたち
・「完成相次ぐ永久橋」(昭和33年1月)洪水のたびに傷む木橋から永久橋に変わった二ツ井町、十和田町、合川町、能代町の橋 完成した橋を渡る人びとや車
・「増産をめざす藁工品 大曲市・大森町・八郎潟町・山本村」(昭和33年2月)わらを材料にしたわら工品作りの様子 農家の冬の作業
秋田県ニュース (秋田県提供)
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