20世紀・わが街 わが故郷~名古屋~
〔見ればむかし〕
20世紀の終わりを迎えて「わが街わが故郷」の100年を振り返るシリーズの名古屋編。名古屋市が市制百年を迎えた昭和64年に制作した「名古屋市の百年」と昭和30年代の「愛知県政ニュース」、それに戦後の焼け跡時代を克明に撮影した米国国立公文書館のフィルムなどを通して100年の歴史を旅する。
明治33年の名古屋市役所周辺はスチル写真しか残っていないが、松阪屋が日本で最初に百貨店として誕生したり、馬車が荷物を運んだり、宣伝隊が繰り出したりという時代の風俗がよくわかる。
昭和12年頃には、名古屋駅完成、100メートル道路も桜通りとして誕生した。中京工業地帯の勢いの感じられる時代だ。平和博覧会も開催されるが、間もなく戦争の時代に突入。名古屋は一大軍需都市となる。最大のものは飛行機工場だ。三菱重工の航空機・発動機工場や愛知時計電機の飛行機工場・・・これらが太平洋戦争では米軍の爆撃の標的となる。昭和20年、敗戦時には名古屋羽鳥一面の焼け野原となっていた。大和生命ビルは当時徴兵ビルという名だったが、米軍に接収されて司令部がおかれた。松阪屋、公会堂、焼失した名古屋城まで接収されていた。米軍の進駐、キャンプで働く日本人。占領時代の名古屋の様子はこの番組でも初公開だ。
この焼け跡から復興する名古屋。市役所職員らによる名古屋祭りの仮装行列に復興への意気込みが見える。住宅建設と都市の改造。道幅の広い名古屋の町作りはやがて「デザイン都市・名古屋」として注目を浴びることになる。市民の楽しみ・動物園の人気者ゴリラやコアラの映像も取り入れて、この辺りは映像散歩。市制百年記念の世界デザイン博覧会の3つの広い会場からは戦争の傷跡の影も見えない。そして20世紀最後の今年、245メートルの名古屋駅タワーズがデザイン都市・名古屋の新しいシンボルとして誕生した。
1.明治・大正・昭和の名古屋
・広小路通り
・1895年 関西鉄道
・1989年 名古屋電気鉄道
・1900年 中央線(名古屋-多治見)
・1904年 日露戦争
・豊田式織機株式会社
・1907年 名古屋港開港
・1910年 新いとう呉服店(松坂屋の前身)名古屋最初の百貨店
・1910年 第10回関西府県連合共進会 鶴舞公園
・1916年頃 百貨店の配達馬車街を走る 松坂屋
・焼き打ちされた柳橋停車場
・米屋の打ち壊し
・普通選挙制を勝ち取る
・松坂屋百貨店の夜間営業とイルミネーション
・昭和初期 名古屋市都市計画工事
・1930年 松坂屋の出張販売 浜松へ
・1937年 国鉄名古屋駅誕生
・路面電車が走る桜通り
・1937年3月 松坂屋で開催の新日本文化博覧会
・1937年3月 東山植物園・動物園開園
・1937年 汎太平洋平和博覧会 パビリオン サーカス 花電車 提灯行列
・1938年 防空演習 バケツリレー
・ヒトラー・ユーゲント 愛知一中を訪問 サッカーの試合
・東照宮祭
・慰問袋を作る女性たち
・熱田神宮に必勝祈願
・木刀の訓練
・名古屋駅 出征兵士の見送り 国防婦人会
・三菱重工業名古屋航空機製作所
・1944年12月 B29による空爆 軍需工場
・1945年5月14日 名古屋城炎上
・1945年8月15日 終戦
2.戦後の名古屋Ⅰ
・名古屋の焼け跡(空撮)
・愛知時計電機 航空機工場
・三菱重工業名古屋発動機製作所 星形シリンダー エンジン(1946年6月撮影)
・1945年10月27日 米軍の進駐
・接収された徴兵ビル(現:大和生命ビル)
・昭和20年秋に撮影された焼け跡の様子
・米軍キャンプで働く人びと
1951年「県政ニュース」(企画:愛知県)
・桑原幹根知事
・食料増産 農村の生活の向上 酪農センターの設置 県営住宅の建設
・工業地帯 自動車産業 陶磁器 繊維工業
・東海道線 浜松-名古屋間の電化
・幹線道路の舗装工事
・1953年9月25日 13号台風の被害状況 復旧作業
・1954年6月19日 180メートルのテレビ塔誕生
・1955年3月 皇太子殿下愛知県ご訪問 自動車工場
・愛知県スポーツ会館
・青い鳥学園
「名古屋市の100年」(製作:名古屋市)
・1955年 名古屋市
・1955年 第1回 名古屋祭り 仮装行列 花電車
・1957年11月15日 名古屋市地下鉄開通
・1959年 ロサンゼルス市と名古屋市 姉妹都市提携
・1959年10月1日 名古屋城天守閣再建 金のシャチホコ完成
・1959年9月26日 伊勢湾台風襲来
・住宅団地の建設
・都市計画工事 名古屋市駅西都市改造事務所
・通勤ラッシュ
・名古屋港 中京工業地帯
3.戦後の名古屋Ⅱ
「名古屋市の100年」(製作:名古屋市)続
・名古屋駅新幹線工事
・東山動物園のゴリラ
・地下街
・駅前の名古屋 青年像
・1970年9月 南大津通り 日曜遊歩道
・魚床とされる市電車両
・1974年3月31日 市電廃止
・1977年春 国際展示場
・博物館開館 ロダン考える人の除幕式
・「日本女性会議'84なごや」の開催
・ハンディキャップゾーン開設
・金のシャチホコ地上へ 「名古屋城博」開催
・コアラの一般公開
・高年大学「鯱城学園」開校
・名古屋高速道路開通
・昭和天皇陛下崩御
・1989年 市制100周年の名古屋
・世界デザイン博覧会
・名古屋市役所
・2000年3月 名古屋駅
資料協力:愛知県 名古屋市 名古屋市市政資料館 日本映画新社 松坂屋 平松淳 米国国立公文書館