映像ショウワ8ネンノサイトシーイグ V1R0222201742

昭和8年のサイトシーイグ

撮影年月
1930年(昭和5年)~1933年(昭和8年)
コレクション(提供者)
映像タイムトラベル
撮影
発行
製作
ドキュメンタリー工房
配給
時間
46分10秒
米国国立公文書館オリジナル番号
館内限定公開 色彩有 音声有 貸出不可
内容

〔見ればむかし〕
 大阪南区空堀に住んでいた明治22年生まれの佐山熊太郎さんは、家作(貸家業)で生活できる恵まれた環境にあり、趣味三昧の日々を送っていた。特にカメラには凝っており、高価なベル&ハウエルの16ミリを使って多くの映像を残している。その中から、昭和8年の京都・奈良・琵琶湖そして昭和5年の尾道・鞆の浦の映像でタイムトラベルする。
 まず京都では花シリーズ。円山公園、平安神宮、仁和寺、宇治の桜を中心にまとめている。モノクロフィルムだが、満開の桜の美しさとお花見に押しかけた人々の姿をよくとらえている。昭和8年4月17日の新聞によると、4月16日は爆発的な花見客の人出で、まるで250万の大阪市民が全部遊山に出かけたかのよう。汽車のダイヤも乱れて「歓呼の悲鳴」が上がったと伝えている。この映像にもその雰囲気がよく出ている。
 5月には保津川下り、秋には清水寺、永観堂の紅葉、インクライン、天の橋立と巡り歩く。奈良では秋の奈良公園、薬師寺の塔、法隆寺、牡丹の長谷寺など、季節も様々に遊び、赤目の四十八滝まで足を伸ばす。
 琵琶湖では京阪丸で島巡り。竹生島、多景島、沖の白石を回り、長命寺にも詣でる。昭和5年8月には尾道から鞆の浦鯛網見物、港の風景、古刹のひとつ浄土寺までをカメラに収め、朝の活気ある魚市の様子も見る。
 昭和6年には満州事変が起こり、8年には国際連盟からの日本脱退、ヒトラー内閣成立、と世の中は大きく変わろうとしていた。ダミアのシャンソン「暗い日曜日」が発売禁止になるなど人々に不安を与えていた時代であった。

1.春の京都
(昭和8年)
・交通整理
・南座 人力車 路面電車 四条京阪 四条駅 四条大橋 四条通り 
・春の円山公園(4月18日) しだれ桜 花見客 
・平安神宮 大極殿
・御室仁和寺 八重桜
・花の宇治 宇治橋 平等院鳳凰堂 塔の島 浮島十三重塔 
・保津川渓流 嵐山着
・嵐山 渡月橋 

2.秋の京都・奈良
・清水観音堂(11月8日)
・東山 永観堂紅葉 南禅寺山門 蹴上インクライン
・天の橋立 日本三景 大天橋 小天橋 女学生
・成相山 ケーブル 成相寺観音堂 回転橋
・秋の奈良 猿沢の池 興福寺南円堂 五重塔 
・奈良公園 鹿に餌やり 春日大社参道 三笠山(若草山) 東大寺三月堂 二月堂 薬師寺東塔 
・法隆寺 金剛力士立像 夢殿 
・長谷寺 本堂 
・伊賀赤目四十八滝

3.琵琶湖島巡り・尾道・鞆の浦
・琵琶湖島巡り(6月25日)
・京阪丸船内 
・竹生島 
・多景島
・沖の白石
・長命寺
・尾道名所
・浄土寺
・朝の魚市
・鞆の浦名所
・アブト観音 仙酔島 
・鞆の浦鯛網漁船

資料協力:石川温子

原文