昭和初期の鉄道マン
〔見ればむかし〕
8月に2週連続で放送した「鉄道マン」シリーズの最終回。北米・欧州の海外研修から帰国した白石鉄蔵さんの16ミリ映像をもとに昭和6年から14年までの日本の各地にタイムトラベルする。フィルムの提供者で、昭和9年生まれの次女・節子さんをスタジオに招いて話を聞く。
昭和6年7月に帰国した鉄蔵さんは11月の義妹の結婚をいい被写体として花嫁姿を撮影。当時としては珍しい洋装だ。車や近所の人の見送りの様子に時代があらわれる。
ここから8年の間に7回も転勤している。最初の金沢から札幌へ。ここで江別の水害。線路の補修に携わる。鉄蔵さんは鉄道省の保全技師。被害の状況を把握して復旧の指揮にあたる。現場の状況調査に16ミリが活躍。
冬の北海道の鉄道に欠かせないのが除雪作業。ラッセル車も雪の状況に応じて種類を使い分ける。朱鞠内や羽幌などの豪雪をぐいぐい切り開いていく姿が圧巻!
家族の映像もいろいろ。パックには大倉山のジャンプ台、中島公園のスケート、アイスホッケー。夏は札幌神社の祭り行列など、今とはかなり違う風物が登場する。
そして北海道から門司への転勤。鉄蔵さんの故郷・臼杵では珍しい「山内流古式泳法」を見ることができる。さらに門司から名古屋へ。高山線の雪崩による橋脚の補修に当時の木材によるステージング工法も見る。開通を知らせるのに伝書鳩を飛ばすのも今の人には珍しい光景だ。最後は新潟へ。上越線の雪崩ではまた違った工法を見る。
それぞれの時代、鉄道省の官舎住まいに家族の姿を記録。1歳半の白石節子さんのあどけない姿。その人が今、スタジオで玉井アナと父の思い出を語る。記録魔・鉄蔵さんの血を引く節子さんの話も聞きごたえがある。
1.昭和初期の風景Ⅰ
談話:白石節子さん
・昭和7年 金沢駅
出征兵士を金沢駅で見送る様子
従軍看護師と傷病兵
・昭和6~7年 神戸
結婚式 洋装
・里帰り
・金沢の鉄道省の官舎で遊ぶ子どもたち 正月
・広幅雪掻き車 試運転
・新潟 親不知 巡回車
・名古屋城 名古屋駅ホーム
・北海道 室蘭 石炭の積み出し
2.昭和初期の風景Ⅱ
・昭和7年 江別(北海道函館本線)水害復旧作業
足こぎ巡回車 レールの補修
・昭和8年冬 札幌の官舎 雪遊び スキー
札幌神社(現:北海道神宮) 中島公園 スケート スピードスケート アイスホッケー
・朱鞠内駅(幌加内線・現:バス路線)ラッセル車マックレー 広幅雪掻き車
・大倉山スキー場 スキージャンプ
・羊蹄山 スキー
・昭和8年春 駒ヶ岳 大沼公園 札幌鉄道局
・札幌神社祭礼 札幌駅 日本髪の女性
・札幌植物園 北海道大学構内
・札幌駅 羽幌線除雪作業 羽幌駅
3.昭和初期の風景Ⅲ
・大分 臼杵水練学校の祭 山内流古式泳法
・熊本 第五高等学校(現:熊本大学) 仮装
・水前寺公園
・福岡 太宰府天満宮 都督府古趾
・昭和10~11年 高山線 雪崩
木のステージング 試運転 伝書鳩
・昭和11年春 名古屋の官舎
・かごめかごめ
・昭和14年春 上越線 雪崩 犬釘打ち レール切り 砂利入れ 通り直し むら直し D51 動揺計
・ランドセル
資料協力:白石節子 草木陽一