西日本の祭りを撮る~昭和30年代~

前回、「目指すは映像詩」で、秋の丹波路や水郷を詩情豊かな旅に誘ってくれたカメラマン島田敏宏さんの8ミリフィルム第2弾。今回は昭和30年代前半の西日本の祭りを見せてくれる。
最初は昭和32年の京都「都をどり」。一年に一度の芸妓さんたちのお祭りだ。これはまだモノクロの映像だが、舞台のきらびやかさはまるで色付きのように迫ってくる。そして33年の祇園祭。これが島田さんの初めてのアグファカラー(ドイツ)による作品だ。当時のフィルムの感度はかなり低く、美しい映像を撮影するための様々な苦労話なども交えて京都の伝統を楽しむ。
中盤は相生ペーロン祭だ。祭そのものは「ペーロン競漕」で、短時間に終わるが、この頃登場したばかりの水上スキーが花形スポーツらしく紹介されている。
花火などの夜景にはカラーで挑戦したが、残念ながらフィルムの保存に失敗している。天神祭もモノクロ撮影で終わっている。そのあたりの理由も、島田さんに話を聞いてみる。
最後は音楽とナレーションの入った完全作品で岡山の「西大寺裸祭」。10分程のものdが、これは完全に夜の祭なので、富士フィルムが初めて出したASA250の高感度フィルムを使用。日本で初めてバッテリーライトを持ち込んで撮影したと島田さんの記録にある。この時、西大寺に行くため乗った鉄道がこの年最後に消えた西大寺鉄道。ひなびた駅や小さな電車の姿がしっかりと残されている。祭とともに時代も写し取った旅だ。
談:島田敏宏さん
1.「都をどり」「祇園祭」
・「都をどり」京都 昭和33年
祇園甲部歌舞練場(大正2年創建)
第85回
「京洛の四季」 第一景「置歌」 第二景「金閣の春色」長唄 第三景「宇治の晩春」茶摘み 第四景「桂の初夏」 第五景「祇園白川の涼風」 第六景「高尾の秋色」 第七景「祇園の雪」 第八景「平安神宮の桜」
・「祇園祭」昭和33年(カラーフィルム)
四条通 山鉾巡幸 薙刀鉾 くじ改め 京都市長高山義三 つじ廻し 月鉾のくじ改め 船鉾
宵山 金魚すくい 土産物
2.「相生ペーロン祭」「天神祭」
・港まつり ペイロン 昭和33年 播磨造船所
神輿 カッターボート 水上スキー ヘリコプター
ペーロン船
表彰式
優勝旗
花火
・天神祭 昭和34年
神輿 催太鼓 青年鼓笛隊(黒住教) 八乙女(堀江・曾根崎新地) 網代車 御羽車 御錦蓋 御鳳輦 鳳みこし 玉みこし 若松町浜の乗船場 ドンドコ船 お迎え人形船 鯛飾り船 船渡御 宵 花火
3.「西大寺裸祭」
・西大寺 岡山県 昭和36年
鉄道 無人駅 車内 西大寺鉄道 西大寺駅 街並み 西大寺 西大寺金陵山古本縁起 裸祭 こり取り場 観音像 宝木の争奪戦
資料提供:島田敏宏 祇園新地甲部歌舞会
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