秋田だより 昭和35・36年~新しい開拓地をめざして~

〔見ればむかし〕
みちのく秋田。三方を山に囲まれ、冬は寒気と豪雪、夏は高温をもたらす厳しい自然環境だ。しかしこれが米の栽培に適し、秋田は昔から米どころとして有名だ。
特に太平洋戦争で疲弊していた日本は昭和32年、秋田県に米の増産を要請している。このために昭和27年から八郎潟を農地に変えるための干拓が始まっていた。
秋田県公文書館所蔵の県政ニュースがきめ細かい記録映像を音声付きで残しており、とても興味深い。
昭和35年当時はまだ工業化や都市化が進んでおらず、秋田県は米の増産に励んでいた。まもなく流行してくる「三ちゃん農業」や「集団就職」「出稼ぎ」などといった言葉もまだ聞かれない。ここには希望に満ちた明るい農村の姿がある。秋田県の人口がもっとも多かったのも、この昭和35年だったという。
ニュースの中には、西利郡由利村で、原野を切り開いて開拓地を作った10組のペアが集団結婚式を挙げる様子も描かれている。また、砂糖大根から砂糖を作るビート工場が始動したり、村を挙げての果樹園の共同化、畜産振興を目指したりして「動物パレード」を行うなど新しい試みもいろいろ見ることができる。
雪解けの十和田湖に飛来する白鳥や、秋田の民芸品・「げら」と呼ばれる蓑造り、民芸陶器の「楢岡焼き」、真冬の「本庄裸まつり」などなど、ふるさと秋田ならではのニュースが、多彩な旅に運んでくれる。
1.県政ニュースからみる秋田県Ⅰ
「県政ニュース」製作:秋田県
「雪国の民芸品 十文字町・増田町」(昭和35年)
・蓑を着る人々 柘植笠 雨笠 元禄笠 道中笠 一文字笠 ケラ 化粧ゲラ 装飾品
「動き出したビート工場-大館市-」(昭和35年)
・砂糖大根 甜菜 ビート工場
「白鳥の十和田湖」(昭和35年)
・国立公園 冬 雪 ユースホステル 郵便配達 白鳥の飛来
「健康な村めざして-雄和村-」(昭和35年)
・農村 健康事業 血圧測定 酪農 牛乳の出荷 学校給食 家族団らん 食卓 栄養講習 体操
「青年の家-秋田市-」(昭和35年)
・農家 田植え 調理看護コース研修 調理実習 レクリエーション
「五輪めざして 東北北海道高校陸上競技合宿」(昭和35年)
・秋田市 強化練習
「山の工事場 あいののダム 小和瀬発電所」(昭和35年)
・工事現場 放水テスト
・小和瀬川 発電所工事
2.県政ニュースからみる秋田県Ⅱ
「知事・議長ら帰える 海外視察を終え」(昭和35年)
・東京国際空港 小畑勇二郎知事 秋田駅 県庁 報告会
「新しい開拓地-由利村-」(昭和35年)
・モデル地区 開墾する入植者たち
「第11回県体開く-秋田市ほか-」(昭和35年9月3日)
・県民体育大会秋季大会 秋田市 旗リレー 開会式 陸上競技 自転車競技 フェンシング 高校ラグビー 弓道 バレーボール
「果樹 共同化の村-平鹿町醍醐-」(昭和35年)
・りんご栽培 薬剤散布 共同選果場 出荷
「畜産振興めざして-十和田町ほか-」(昭和35年)
・大館市 酪農 種牛
・9月8日~13日 第50回秋田畜産共進会 十和田町 自衛隊音楽隊 パレード
「県民の窓 楢岡焼き」(昭和35年)
・楢岡焼 ろくろ 窯入れ
3.県政ニュースからみる秋田県Ⅲ
「活気ずく秋田港-県営魚市場開設-」(昭和35年10月)
・能代沖 漁業 水揚げ作業 県営魚市場の竣工 荷揚げ
「義宮さまご来県」
・昭和35年10月6日 十和田湖ご遊覧 発荷峠 観光客 大湯 ストーンサークル りんご園 玉川温泉 海底油田
「文化の日にはえて-文化功労者表彰式-」
・昭和35年11月3日 第5回表彰式 県庁
「県民の窓 開拓地に花嫁むかえる」(昭和35年)
・由利町 開墾地 小学校体育館 同時結婚式場 ちぎりの杯 記念撮影 新築住宅
「冬の突貫工事-角館町・田沢湖町-」(昭和35年)
・橋の架け替え工事
・小和瀬発電所工事
「施設のお正月-秋田市」(昭和36年1月)
・高齢者施設 慰問 劇
・母子寮
・県立中央病院 子どもたち 書き初め
「盛んな技能訓練-男鹿市ほか」(昭和36年1月)
・技能センター 職人 左官 洋裁
・短期職業訓練所 季節労働者 実習
「県民の窓 本荘の裸まつり」※正しくは裸まいり
・昭和36年1月16日 本荘市 新山神社
協力:秋田県公文書館
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