【閲覧注意映像含む】上海事変~1932~
1932年1月28日、上海の共同租界に戒厳令が敷かれた。上海事変が勃発したのだ。これは日本の関東軍が、この前年に満洲事変を起こし、満洲国を成立させたことに対して高まった世界の批判を逸らすために引き起こしたものであった。同年1月18日に、日本人の日蓮宗の僧侶が中国人に襲撃され死傷者が出る事件が発生し、これに対して、日本人居留地のグループが抗日運動の拠点であった上海の三友実業を襲ったのである。
緊張が高まる上海に各国の守備隊が外国から増強されて配備につく。満洲事変を起こしたのが陸軍出会ったのに対し、上海事変は海軍の陸戦隊が中心となって、中国の19路軍と初の市街戦を繰り広げた。
最初の思惑とは異なり、日本軍は苦戦を強いられる。本土からの陸軍の覇権、増強で3月1日、攻勢にまわり中国軍を租界に撤退させ、3月3日戦闘は停止した。
イギリスの斡旋で5月5日、上海停戦協定が結ばれ、日本は撤兵した。
今回のタイムトラベルは、イタリアのムッソリーニ政権時代に活躍した映画社が制作した「上海が燃えた日」で、事変現場の様子を見るものとなっている。
共同租界という特異な上海で、アメリカ・イギリス・イタリア軍の配備の状況や、逃げまどう中国の民衆、燃え上がる上海北駅、商務印書館、東方図書館、日本海軍の陸戦隊と中国の19路軍の姿など、戦争映画というより実況中継的な映像で、当時の上海の姿が再現される。
1.タイトル、オープニング
2.「燃え上がる上海」前編 ※9分30秒 死体と思われる映像あり ※14分07秒 死体と思われる映像あり
上海の共同租界に戒厳令を敷く告知を見る人々。上海事変の勃発。鉄条網が張られる。砲台が整備され、土嚢を積む兵士。どこの国の軍かは不明。
イギリス軍としてのインド兵もいる。
日本海軍陸戦隊が車に乗って移動している。
国際警備隊の見回り。三井洋行のビル、ガラスが破壊されている。
戦場となった上海の市街地、炎上する建物、燃えたところから被災者を救助する。瓦礫になった市街地。荷物を天秤棒で運び避難する上海の人々。
中国赤十字社の救急車。怪我人を運ぶ。
船で上海から出ようと港に集まった避難民。
国籍不明の軍艦、海外の軍隊が増援で上海に上陸している。
検問でチェックを受ける中国人。戦闘後、人気の無い市街地。
中国人が詰め掛けるところに、租界の警備員は追い返す。
怪我を負った現地民。救急車に乗る。
日本海軍の軍艦。軍艦には飛行機も乗っている。
アメリカ軍の軍艦。
中国の列車砲。
日本海軍陸戦隊の兵士。
3.「燃え上がる上海」中編 ※31分35秒 死体と思われる映像あり。
北停車場駅を空襲する日本軍、逃げる上海市民、炎上する建物、救急車が走る、ガーデンブリッジを渡って避難する現地民、船で避難しようとする人々。
イギリス軍が上海に派遣されて物資を運ぶ。インド隊も派遣された。米軍も到着。
中国兵が日本爆撃機を打ち落とそうとしている。
破壊された北停車場駅。食堂車の残骸。線路も寸断されている。
炎上する商務印書館。
電線を修理する一方、市街地で戦闘する日本軍。
避難してきた住民を租界に入れている。
国際警備隊の消火活動。閘北(ざぼく)地区は破壊された。
中国軍もまだ戦う。瓦礫を上を歩く中国軍。
4.「燃え上がる上海」後編
戦闘状態の上海市街地で日本軍は銃を構える兵士たち。
フランス租界に避難する50万人の避難民を受け入れる準備するフランス、イギリス、イタリア、アメリカ。
打合せをするイタリア軍とアメリカ軍。
中国軍の陣地の様子。
日本軍の行進。沿道で日の丸の旗を振る居留日本人。一方、中国人は誰も手を振らない。
日本の突撃隊、炎上する家屋、逃げる住民、トラックに乗せられた怪我人。
飛行機工場が破壊されている。
国際軍で犠牲になった兵士の葬送の行進。棺を運ぶ兵士。
上海市街地の様子。
「上海事変」1932年(米国国立公文書館)