なにわから大阪へ ~’60をターニングポイントとして~
'60をターニングポイントとして、大阪はなにわの情緒をたっぷりと残しながらも目覚ましい変化、発展を遂げた。この時代の記録映画が大阪府の府民情報室に残されている。「なにわ」「続なにわ」「開発すすむ大阪」の3本によって、変わりゆく大阪の様子を目の当たりにする事が出来る。
高度成長政策の波に乗って工業が復興し、大量生産に呼応して商業活動も戦前を上回った。全国から人々が大阪に集中し、人口も飛躍的に増えた時代だ。
境・泉北臨海工業地帯、大規模なニュータウン、伊丹の大阪国際空港、名神高速自動車路、阪神高速などが相次いで作られてゆく。そんな時代に立ち会うタイムトラベルだ。
1.タイトル
2.オープニング
3.「なにわ」
企画:大阪府広報課 製作:読売映画社
大阪城と、そこを訪れた人達。
四天王寺。縁日だろうか、参道には屋台が並ぶ。参拝する人々。仏像をなでる女性。子供がレンズの中を覗く。のぞきからくりと思われる。口上するおじいさん。
観心寺。楠公一族の菩提寺。梅の名所。梅の花。
堺市の南宗寺。禅寺。茶道の寺として有名で、千利休の命日に利休忌が催される。
天王寺公園にある黒田藩蔵屋敷の表門。
大阪市の適塾。緒方洪庵が開いた蘭学の学校。
井原西鶴の墓。近松門左衛門の資料。庶民の文化、文楽。人形を義太夫が操る。
天王寺の漫才横丁。住宅街の中の路地で子供が遊ぶ。部屋の前には洗濯物が干されている。部屋の中で、打合せをする2人。三味線と缶を打楽器にして演奏する夫婦だろうか。手品を披露する男性。
通天閣。その前を電車が走る。
ふぐちり、ぜんざいの店。
道頓堀川、法善寺横丁の水かけ不動は水商売繁盛の守り本尊。クリーニング屋の荷車が通る。
夜のネオンが灯る。
鍋料理を囲む男女。サラリーマンだろうか。ビールを飲む。
寿司屋で食事をする男性たち。焼き鳥屋で食事をする人達。カウンター席で子供連れの家族が焼き鳥を食べている。串カツ屋で食事をする人達。
てっちり、ちゃんこ鍋、天ぷら、お好み焼き等飲食店が並ぶ。
堺市の港。灯台。風車で水を汲み上げている。西国街道(171号線)。
繊維の丼池(どぶいけ)問屋街。トラック、自家用車がたくさん走る。算盤片手にお客さんを相手にする店主。生地を見る客。買ったものを風呂敷に包み、持ち帰る。
刀剣作りの伝統は料理包丁作りに生かされ、境包丁は有名。包丁を作る人々。
人造真珠。真珠を染める。真珠に糸を通す女性たち。机の真ん中に電話がある。
緞通(だんつう)。カーペット製造。お婆さんたちが手作業で絨毯を作っている。
工事現場。海の埋め立て。
(映像№643 「なにわ」大阪府提供)
4.「続なにわ」
企画:大阪府広報課 製作:読売映画社
堂島。中之島公園。川沿いには壁が建つ。近代ビルが林立する。
大通りでは車が走り、人々が一斉に道路を渡る。
心斎橋の工事現場。地下駐車場を建設中。地下駐車場から出庫する車。
地下鉄。地下鉄の工事現場。土を掘り出し、資材を置き、溶接作業をする作業員。
阪神高速道路の建設現場。中央環状線の工事現場。三環状線の道路図。
堺臨海工業地帯。工場が建設されている。
浜寺公園遊泳場。海水浴場に替わるプール施設。オープニングセレモニーの様子。
泉佐野市の漁港。埋め立てなどにより漁業が廃れていき、住宅も寂れているが、水産コンビナートの建設が始まった。
岸和田港。木材集散加工センターとしての木材コンビナートが建設されることになった。
大阪既製服縫製近代化協同組合 枚方団地 工場建築工事 の看板。団地作りが進む。
千里ニュータウン。住宅都市。香里(こうり)団地の朝、出勤のためバスに乗り込む人々。
幼稚園。園庭で旗を持ってお遊戯する園児たち。
団地の商店街は子連れの主婦で賑やか。スーパーマーケットで買い物する主婦たち。
名神高速道路
(映像№644 「続なにわ」 大阪府提供)
5.「開発すすむ大阪」
千里丘陵。大阪エキスポ(万博)の会場予定地。まだ木に覆われている。
中央環状線、大幹線道路の空撮。
新幹線の鳥飼基地。
東大阪市 布施 荒本。再開発中。
堺泉北臨海工業地帯。鉄鋼基地、火力発電所、石油基地、造船基地が稼働している。更に工場建設が進む。
岸和田木材コンビナート、泉佐野水産コンビナート建設中、泉北ニュータウン建設予定地の空撮。
大阪港の防潮堤。港から川に入り、その沿岸には近代的な建物が並ぶ。
大阪国際空港(伊丹空港)。日本航空の飛行機が着陸する。空港の空撮。飛行機が離陸する。
(映像№645 「開発すすむ大阪」 大阪府提供)
大阪府府民情報室