新日本ニュース第219号
1.春の国会
渡米議員団帰る
アメリカ・カナダで民主議会の運営を視察する2か月の旅を終え、山崎猛氏ら渡米議員団一行13人は3月13日午前3時、羽田に帰着、翌日国会でみやげ話を語った。
徳田書記長の国会喚問
参議院在外同胞引揚特別委員会は3月16日午前11時、共産党徳田球一書記長を喚問し、「反動は帰すな」とソ連に進言したといわれる”徳田要請”の真偽について証言を求めた。徳田書記長はこれを真っ向から否定し、混乱ののち、午後4時散会した。
2.恩賜賞の坂田理論(ニューヨーク・東京・名古屋)
名古屋大学の坂田昌一教授は、二中間子理論によって今年度の恩賜賞と学士院賞を受けることになったが、この理論を証明するフィルムが、カリフォルニア大学のガードナー博士から協力者の武谷三男博士に届けられた。これは特別に作られた乾板で、十分の一ミリの厚さに乳剤が塗られ、これにとびこんだ中間子の飛跡を顕微鏡で撮影したもので、坂田理論を証明している。
時の話題
3.天皇四国へ(香川)
四国巡幸第2日目3月14日、天皇陛下は香川県一宮村の奉迎場で村民の歓呼にこたえられ、木田郡平井町の畜産共進会をご視察になった。
4.博覧会のシーズン(神戸)
経済再建は重工業の整備と貿易の振興にあると、阪神地区ではアメリカ博や貿易博が一斉に開催された。これは、3月15日から5月15日まで神戸市で開かれた日本貿易産業博覧会の華やかなスナップである。
5.ハワイティーム全学生を破る~日米バスケットボール~(スポーツセンター)
3月11日、東京スポーツセンターでハワイ二世バスケットボールチームと全日本学生チームとの一戦は、64対46でハワイチームが勝った。
6.平和への祈り~空襲死者の改葬~(東京)
昭和20年3月10日の東京大空襲の犠牲者10万人の遺体は、都内の公園などに仮埋葬のままになっていたが、東京都は23年12月から3か年計画で、改葬を行ってきた。東京都戦災誌によると、24年3月7日台東区清川の玉姫公園で、787体を改葬したと記されている。
7.微生物の手術(フランス・パテー・ジュルナール特約)
パリ郊外ガルシュにあるパスツール研究所で、フォン・ブリュンヌ氏は細胞の外科手術ができる細菌操作器を発明した。これは、1本のガラスの針からメスが作られ、操作器によって1.200分の1に弱められた手の操作で単細胞アミーバから核に移植する手術に成功し、生物学研究は新しい分野をひらきはじめた。
New Nippon news No.219