新日本ニュース第217号

・北アルプスの三月
　ヒマラヤ遠征を目指す壮大山岳部は、極地登山法をマスターするために2月26日から前穂高北尾根に向かった。3月の声をきいても上高地一帯はまだ吹雪である。

・銀座の朝火事（東京）
　3月1日午前10時20分、銀座7丁目の天ぷら屋の2階から出火し、日本楽器、大和百貨店など4棟272坪が焼けた。

・一家十人心中（東京）
　2月25日、東京都荒川区三河島1丁目の日進工業常務関川直さん（41）夫妻は事業不振のため、子ども8人を道連れに青酸カリで一家心中をはかった。増加する心中事件について警視庁渡辺防犯課長は、「生活苦が第1原因のようだ」と語っている。

・時の話題
　古橋選手らブラジルへ
　　ブラジルから招かれ南米各地で競技を行うため、遊佐監督、古橋・橋爪・浜口・村山の4選手は羽田から2月28日出発した。
　自動車のスピード化粧（横浜）
　　日産自動車が完成した赤外線利用の塗装装置は、250ワット電球480個を使うトンネルの中で熱線を放射し、これまで3日かかっていた乾燥作業が、わずか15分というスピード装置である。
　長生き学校（宇都宮）
　　長生きの方法を教える学校が宇都宮に現れた。白髪や腰の曲がった生徒が裸で体操にはげんでいる。　

・ルポルタージュ　職業安定所風景（東京）
　ドッジライン下、日雇労働者の就業状態は昭和25年に入って悪化の傾向を強めていた。1日240円の仕事を求めて渋谷職業安定所に集まるニコヨンの表情をルポしているが、この渋谷職安では2月26日、全員就労を要求する人々と警官の小競り合いがあったばかりだった。

New Nippon news No.217