新日本ニュース第213号
1.あたたかい冬
後楽園球場に雪を運び込んで1月28日・29日の両日、スキージャンプ大会が行われたが、暖冬異変で31日には雪は全部とけてしまった。1月31日の最高気温は19.8度だった。
各地にさまざまの病気
2.感冒
四国から流行し始めた流行性感冒は、その後各地に広がり2月6日現在の学童の流感患者は、12万6.000人に達した。
3.眼のジフテリヤ(北海道)
北海道の豊里炭鉱では眼のジフテリアが流行し、1月末現在68人の幼児が治療を受けている。
4.発疹チフス(東京)
東京上野の地下道の浮浪者を中心に発生した発疹チフスは、その後横浜にも患者が発生し、厚生省は2月15日対策本部を設置した。発疹チフス患者は、2月15日現在東京を中心に全国で379人となった。
時の話題
5.結婚ちかい孝宮さま
天皇陛下の第三皇女孝宮和子内親王殿下の御結婚のお相手が鷹司平道氏(26)と決まり、1月26日発表された。孝宮さまは昭和23年春から1年間、元侍従長百武三郎氏邸で家事の修業をされたあと、呉竹寮で花嫁修業をされていた。
6.国際会館 工事はじまる
東京日比谷の交差点北東角の1.300坪の敷地で1月31日、日活国際会館の起工式が行われた。この年は外国からの観光客誘致に努力しはじめた年だったが、ホテル不足で、日米共同出資により米軍接収地の返還を受けて行う日活のホテル建設事業は、戦後初の国際的事業として注目された。(『日活40年史』)
7.米軍首脳部 訪日
マッカーサー元帥の出迎えを受け、1月31日アメリカ三軍の首脳が東京に到着した。12月以来中ソ会談(中ソ相互援助条約締結は2月14日)が続けられている時期であり、ブラッドレー統合参謀本部議長は羽田で「マ元帥とともに中国・台湾問題を協議する」と言明した。
8.中小企業のなやみ
広川弘禅民自党幹事長は、1月31日、「蜷川中小企業庁長官を懲戒免職にすることを、きょうの政府連絡会で決めた」と発表した。蜷川長官は、中小企業はつぶれるだろうという「3日危機説」を唱えたことから処分問題となったもので、8日辞表を提出した。蜷川長官は「吉田内閣では中小企業は救われない」などと放言し、かねてから政府部内で処置を考えていた。
New Nippon news No.213