新日本ニュース第212号

1.“自衛権”で論争～第七回国会～
　第7回通常国会は各政党の内部対立を裏舞台として始まったが、1月23日、吉田首相は施政方針演説で「日本の安全保障のために、自衛権は放棄していない」と所信を表明し、自衛権論争の口火を切った。

2.南と北から引揚船入港（舞鶴・横浜）
1月21日、ナホトカから舞鶴に入港した髙砂丸には、日の丸組と反日の丸組の引き揚げ者2.500人が同船し、ソ連引き揚げの新しい傾向をみせていた。また1月23日、横浜入港のオランダ船チサダネ号で、ジャワから日本人戦犯693人が帰国し、直に巣鴨拘置所に送られた。

時の話題
3.ニューヨークの南原さん
　南原繁東大総長は12月16日、コロンビア大学を訪れ東アジア協会のカーク博士らと会談した。なお、南原総長は1月7日帰国した。
4.石油の輸入はじまる（川崎）
　終戦以来、政府の管理下にあった貿易制度は、輸出は24年12月、輸入は25年1月から民間に移された。民間輸入貿易の第1陣として石油の輸入が始まり、1月15日、オランダ船ミルザ号がボルネオの原油1万800トンを積んで川崎に入港した。
5.泣きだしたスキーヤー（岐阜）
　戦前のスキー選手としてならした母親に2歳でスキーを習う山下岳美ちゃんの話題を伝える。
　　　
6.人間萬事金世中（東京・大阪・京都）
　深刻な金詰まりによる不景気で、都営の公益質屋は利用客が殺到し、貸す金が間に合わないほどだった。一方、アメリカ輸入のビンゴ･ゲームが大流行し、競馬・競輪場はどこも満員の盛況だった。

　

New Nippon news No.212