新日本ニュース第183号

1.波紋をえがく　ソ連引揚者
　ソ連地区引き揚げ者の東京、大阪到着は大混乱だった。肉親の出迎えに顔をそむけ、共産党主催の人民大会に駆けつける者が続出した。これは7月4日、大阪駅に到着した引き揚げ第2陣の模様である。
2.国鉄　人員整理　はじまる
　国鉄は7月5日、3万1.207人の第1次解雇通知を行った。緊迫する東京田町電車区・福島管理部の反対決議、名古屋鉄道管理局長に訴える組合員家族などをフィルムに記録しているが、左派系中闘・中央委員約60人が一挙に解雇された国鉄の人員整理は、予想外に平穏に進んだ。

時の話題
　3.アメリカ独立記念日（東京）　アメリカ独立記念日の7月4日、皇居前広場でマッカーサー元帥の閲兵式が行われた。マッカーサー元帥はこのあと声明を発表し、「日本は反共の防壁になった」と述べた。
　4.富士の山開き　7月1日は富士山の山開き。8合目に疲労回復注射サービスをする薬会社も現れ、登山客でにぎわった。
　5.別当、西沢ついに26号ホームラン　日本野球　7月5日、甲子園球場の阪神・東急7回戦で阪神別当が日本プロ野球新記録の26号ホーマーを放つと、中日球場の中日・太陽8回戦で中日中沢もライトスタンドに26号ホーマーを打ち込み、ホームラン競争でプロ野球は、ますます熱気を帯びてきた。

6.自殺か他殺か　下山総裁事件　第二報
　れき死した下山国鉄総裁の通夜は東大で解剖後、7月6日、東京芝の青松寺でしめやかに行われた。警視庁は帝銀事件以来の大捜査を開始したが、なぞに包まれ、連日の新聞は騒然とした世相を伝えている。

New Nippon news No.183