新日本ニュース第181-1号
1.梅雨の季節
梅雨に入り、大阪では6月19日のデラ台風で浸水騒ぎとなり、6月20日には阪神電車の追突事故も起こった。
2.もめる工場閉鎖
広島日鋼事件(広島) 日本製鋼広島製作所(車両製造)は、ドッジ・ラインにより企業合理化を行うことになり、6月2日、622人の人員整理を発表したことから争議が緊迫化し、6月15日、1.500人の警官隊が工場を占拠していた労組員を排除、乱闘事件となった。
東芝加茂工場の閉鎖(新潟) ドッジラインによる企業整備は、政府を発注先とする電気通信工業、鉄鋼、車両部門で大量人員整理となって表れた。この部門の労組は共産党のいわゆる「産業防衛闘争」の中核となり、なかでも東芝労連は激しい職場・地域闘争の中心組合であった。新潟県加茂工場は6月18日、持株会社整理委員会から処分を指令された28工場の一つで最も激烈な闘争が行われたところで、6月17日には、工場閉鎖仮執行違反として、組合員141人が検束された。(資料『労働運動史・労働省編』)
時の話題
3.ヒヨコの鑑別コンクール(名古屋)
6月10日、名古屋で50人の選手が集まり、100羽のヒナの雌雄識別コンクールが行われ、愛知県の阿部さんが優勝した。
4.ビルマ貿易懇談会(東京)
6月18日、ウ・ニ・コン氏らビルマ貿易使節団を迎え、東京商工会議所で歓迎懇談会が開かれた。なお、対ビルマ貿易は6月30日まで6.000万ドルと総司令部から限度が決められ、この時期ポンド決済に改めるよう要望が出ていた。
5.象列車 名古屋へ
名古屋の東山動物園の象2頭は、北王園長らの努力で戦時中の猛獣処分からのがれ、国内ではこれだけが生き残った。24年5月東京から特別列車を仕立て、象見物に小学生が訪れたのを始め、各地から「象列車」の名前で動物園を訪れた。6月18日には、滋賀県彦根の小学生1.200人が見物した。
6.農繁期に奇病(京都)
京都府天田郡下夜久野村(昭和31年9月夜久野町)に5月初旬からしょうこう熱が流行した。
7.早慶決勝戦 六大学リーグ
東京六大学野球春季リーグ戦の結びを飾る早慶決勝戦は6月17日、神宮球場で行われ慶応が勝ったが、春季リーグの優勝は早大だった。
8.埋もれていた 法隆寺壁画の模写
法隆寺金堂の焼失で壁画の模写事業が再認識され、また、文化財保護法制定の気運を高めていた。これは明治40年から昭和4年にかけ12面実物大模写絵を完成させた鈴木空如の作品と小樽で発見された三谷画伯の作品を紹介する。
New Nippon news No.181-1