新日本ニュース第167号
1.生活権擁護人民大会
3月15日、皇居前広場で第4回生活権擁護人民大会が開かれた。折からの雨の中、労組組合・市民団体など20万人の人々が首切り反対・差し押さえ反対などのスローガンを掲げ気勢をあげた。
2.熊の話二つ
自分の乳で子ぐまを育てる婦人(青森) 去る2月、青森県西津軽郡の高関さんは山で子ぐまを拾ったが、これを譲り受けた菊地さんは自分の乳を飲ませて育てている。
アイヌ民族の熊まつり(旭川) 3月13日、旭川で恒例のくままつりが催され、北海道各地からアイヌ民族の長たちが集い、伝統の儀式を披露した。
3.難航する東武スト
待遇改善をめぐり、昨年の夏から紛争中の東武鉄道労働組合の争議は、3月9日ついに24時間ストに入り、13日には無期限ストに突入した。(このあと16・17日スト中止、3月19日解決)
時の話題
4.貿易博開く(横浜) 神奈川県と横浜市共同主催の日本貿易博覧会は3月15日開会式を行い、3か月間にわたって、横浜市野毛山公園ほかの会場でその幕を開いた。この博覧会は日本の竹馬経済(ドッジ公使が3月7日の記者会見でアメリカの援助と補助金にすがる日本経済を評した言葉)からの脱却は、貿易の再開からだ、として開かれたもので、来賓客を埋めたアメリカ軍人の姿にGHQの熱意が表れている。
5.“火星人”? 金網で身を護る中学生キャディー(大阪) 大阪の神崎川ゴルフ練習場でアルバイトをする中学生たちは、ボールらか身を守るため、金網で作った防護ネットを身にまとってゴルフのボールを拾っている。
6.教授もデモ(大阪) 23年7月発売された文部省の大学法案は、大学管理機関に議員やOBを加えるとしたため、大学関係者の反対を激化させ、3月には全学連の動きも急になってきた。大阪では、3月13日、大阪大学・大阪商大など30校の教授や学生たち4.000人が阪大グラウンドに集まり、大学法案反対の大会を開いた。なお、この年、新制大学の入試は6月、開校は7月で、この間5月ごろから学生ストが全国的に広がり、7月19日、GHQ顧問ウォルター・C・イールズ博士の「赤い教授」追放演説が新潟大で行われた。
7.主婦の店(東京) 値上げ防止の一策に主婦連合会が優良小売店の選定を始め、3月15日、その投票が行われた。
8.またも放火 集団脱走
東京少年観護所で、3月12日深夜、またまた収容児が放火集団脱走した。これで9度目の放火で建物はついに全焼、118人のうち66人が集団脱走した。
New Nippon news No.167