新日本ニュース第164号
1.国民に納税を呼びかける池田蔵相
ドッジ・ラインの基本構想は、GHQ経済科学局長の蔵相あて書簡で示され、均衡予算の実現・税負担の軽減禁止などきびしいものだった。フィルムは耐乏生活への風刺をおり込みながら池田蔵相の納税呼びかけの談話を記録している。
2.爆発した焼山
新潟県の信越国境(糸魚川市と中頸城郡妙高高原町の中間)にそびえる焼山(2.400メートル)は2月5日・7日・15日、噴火活動を始めた。
3.危機に立つ 短篇映画
日映・朝日・理研などの各社は労働攻勢と経済的苦境を切りひらきながら、ニュース映画・文化映画の製作を続けていたが、朝日映画の後身新世界映画社は24年1月149号ニュースでついに破産した。新世界ニュースの倒産は販路拡張をあせってダンピングしたためといわれているが、フィルムは文化映画の復興を訴えている。(『日本教育映画発達史』田中純一郎)
時の話題
4.小樽の暴風雪(北海道)
2月14日夜半から北海道一帯では風速20メートルの暴風雪に襲われ、北海道各地に被害が続出した。
5.検束者かえる(愛知)
愛知県西春日井郡新川町の豊和工業で首切りに抗議し、工場に乱入した第1組合員119人が、2月11日検束されたことから、2月15日、愛知、岐阜地方の全機械金属労組53組合が一斉に抗議ストを行う騒ぎとなった。これは2月19日、20日に90人が釈放された時の模様を記録している。このころ経済9原則により低生産性部門とされた機械・金属・電機などの会社で企業整備が相次いでいた。
6.仏様の防火演習(京都)
法隆寺の出火から1か月、通し矢で有名な京都三十三間堂では2月21日、火災に備えて防火演習が行われた。
7.プロ野球シーズン迫る
4月2日から開幕と決まった今年のプロ野球。各球団ともリーグ優勝をかけて連日練習に余念がない。
8.寒風に二つの大火(能代・明石)
2月20日、木材の集散地として有名な秋田県能代市の大火は、一晩で市の中心部1.700戸が焼失。また、同じ日、兵庫県明石市でも450戸が焼失がした。
New Nippon news No.164