新日本ニュース第155号

・第四国会解散へ
　　国会は１２月２０日夜１１時過ぎ再開され、翌朝９時ようやく６.３０７円の新給与法案が通過、第４国会は２３日夜解散となった。
・スト中止勧告と労組のうごき
　　電産の川口委員長は１２月２２日総司令部を訪問、日本経済安定のための９原則に基づき、ストライキ中止の勧告を受け、ストライキを中止した。「経済９原則」はワシントンの指示により、１２月１８日総司令部から発表されたもので、１２月１６日の中共軍北京無血入城など世界の緊張激化に伴う政策転換だった。（資料『労働運動史』労働省編）
・ジフテリア問題その後（京都）
　　１１月以来ジフテリア予防注射により、京都では、１２月２０日現在６０人の幼児の犠牲者を出し、総司令部は３０日、予防注射の無期限停止を発表した。
・時の話題
　　平沢公判ひらく　帝銀事件の容疑者平沢貞通（５７）の第１回公判は、１２月２０日午前１０時、東京地方裁判所江里口裁判長担当で開廷された。平沢被告は、自白は催眠術にかかってしたもので無実であると主張した。
　　引揚寮焼く（東京）　１２月１８日朝、東京都港区赤坂一ツ木町の元麻布３連隊跡の戦災・引き揚げ者一ツ木寮２号館から出火して全焼。３５世帯が焼け出された。
　　ツルの入れ歯　上野動物園の、なべづるのくちばしが折れたため、東京大学の比較そしゃく論の権威秋山博士は、銅とアルミの合金に合成樹脂をかぶせたくちばしの入れ歯を作り、１２月１８日治療した。
　　仁王様に注射（奈良）　奈良・東大寺にある国宝木造金剛力士像２体は、ごふんの落ちるのを防ぐために、１２月１６日から京都美術専門学校の宮本一夫氏の注射を受けている。
・歳末　街の表情
　　師走の街はさまざまで、大蔵省の納税運動の宣伝に踊るひと、税務署に陳情に殺到する人々、その中にとびこむA級戦犯７人の絞首刑の号外、二つの内閣がつぶれた昭和２３年も暮れようとしている。

New Nippon news No.155