新日本ニュース第119号
1.近づく農繁期
GHQ天然資源局のJ・M・ポールウェア農業課長が4月21日、「食糧危機は依然去らず」と警告するほど、食糧難緩和の楽観論が広がっていた。その時期の苗しろづくりの記録である。
2.どこから出る政治資金
GHQの指示で、ようやく4月5日から動き出した衆議院不当財産取引調査特別委員会は、軍服払い下げにからむ疑惑の資金250万円を、前年の総選挙の際に政治資金として約40人に渡したという、辻嘉六氏をめぐって証人喚問を
続けた。
3.札びら舞う中山競馬
戦争中は陸軍軍医学校出張所として接収され、戦後は農場として利用された中山競馬場は、昭和22年3月21日から再開された。
時の話題
4.最終弁論 東條部門へ
4月9日、ブルーエット弁護人は東條被告の弁論に入り、「東條は天皇の平和愛好の意思に忠ならんとしたが、自衛権を発動せねば日本の政治担当者としての本務に背くと考えるに至った」と東條の無罪を主張した。
5.みんな仲よく(東京)
上野動物園に4月10日、こども動物園が開園した。さる、豚、うさぎ、カンガルー、あひるなどのかわいい小動物がおりから出され、子どもたちと遊べるようになった。
6.労働学校開く(福岡)
昭和22年10月の全国組織分裂以来、炭鉱労組はそれぞれ石炭連盟を交渉を行うとともに組織固めに追われていた。これはのちに炭労の母体となる九州筑豊炭田での労働者学校風景を記録している。
7.お酒品さだめ(大阪)
灘の生一本の試飲会がこのほど大阪で行われた。なお、4月20日、酒の値上げがあり、一般配給用1級清酒295円となった。
8.お鼻つないで(名古屋)
名古屋東山動物園の象が稚児さんに連れられ市内見物をした。
9.世界記録めざして 水泳合宿
4月11日から伊東の温泉プールで、全国民期待の古橋ら水泳選手の合宿練習が始まった。
10.漫画の頁 清水崑
23年4月が新制高校の開設、新制中学2年目に入ったが、新制中学の校舎建設に父兄も必死の努力をした年だった。小・中学校のいす不足を空席の目立つ国会議席でと風刺している。
New Nippon news No.119