新日本ニュース第116号
1.5月9日をひかえて 礼文島第一報
5月9日の北海道礼文島での金環食観測のため、東京天文台・京大・東北大などの観測隊150人が5メートル焦点距離カメラや光電管などの観測機材とともに島に乗り込んだ。
2.最終弁論大詰めへ 東京裁判
最終弁論13日目の3月18日、林弁護人は橋本被告の弁護に入り、「昭和4年以降日本の政権は牧野伸顕、西園寺公望に握られており、軍閥は存在しなかった」と検事の起訴状に反論した。
3.漫画の貢 清水崑
政治ニュースには裏表があり、カメラで追ってもニュースにならない。そこで企画されたのが当時朝日新聞紙上で人気を集めていた〝崑さん″の風刺マンガである。これは2.920円ベースをめぐる政治風刺マンガ。
(『ニュースカメラの見た激物の昭和』日本ニュース記録委員会編)
4.官公庁労組 政府と対立
3月22日、首相官邸で開かれた政府と国鉄を除く全官公庁労働組合協議会(官公労)の第4次団交は、組合側の2.920円ベース拒否によって決裂、全逓は25日午前零時から第1次広域ストに入った。
時の話題
5.ドレーパー氏一行来朝(羽田)
ウィリアム・ヘンリー・ドレーバー米陸軍次官は、訪日使節団長として3月20日来日、ディロンリード銀行副社長だった経歴を生かして、日本の経済復興計画に参画した。
6.アヒル大売出し(東京)
都農業会主催のあひるのひなの即売会が3月19日から1週間、新宿三越で開かれた。大ひな300円、中ひな220円、小ひな180円だった。
7.マーケット取りこわし(東京)
池袋駅東口に、駅前緑地帯の指定を無視して建てられたマーケット20軒は、3月18日、150人の武装警官隊に守られた都建設局工作隊によって取り壊された。
8.お坊さん デモる(大阪)
彼岸の供養に3月22日、高野山の僧りょが御詠歌隊をつれ、御堂筋を練り歩いた。
9.ダットサン エヂプトへ 戦後第1号国産乗用車(東京)
わが国の自動車工業は生産停止の状態で終戦を終迎えた。統計によれば小型乗用車の生産は、ようやく昭和24年に1.000台に達したが、この年23年は0となっている。したがって画面のダットサンは文字どおりの戦後第1号車であろう。
New Nippon news No.116