映像シンニホンニュースダイ115ゴウ V1H2814201379

新日本ニュース第115号

撮影年月
1948年(昭和23年)3月~1948年(昭和23年)3月
コレクション(提供者)
日本ニュース
撮影
発行
製作
株式会社日本映画社
配給
東宝株式会社
時間
8分20秒
米国国立公文書館オリジナル番号
館内限定公開 色彩無 音声有 貸出不可
内容

1.春の農村から
春を待つ農村(新潟)
この年、2月4日、GHQから農地改革を阻む、不法行為の取り締まり指令が出されたほか、農業協同組合の設立も順調に進み、自作農にとって春は農村からといった年だった。
農協の設立活発(千葉)
地主中心の農業会を解散し、農業協同組合の設立が進み始めた。これは、最も農協設立が多かった千葉の記録である。
にがりカリ入り硫安で麦畑枯れる(香川)
農民にとって良い話ばかりではない。香川県で春を前に、配給の硫安を使ったところ5.000町歩の麦畑が枯れた。これは、このころ公定価格の3倍で売れた硫安に目をつけた悪徳運送業者が、新居浜から船で運ぶ途中、肥料公団の硫安ににがりカリ(製塩の途中産品)を混入したためと、香川県農協は記録している。
2.第三回国体スキー大会(野沢)
 第3回国民体育大会兼第26回全日本スキー選手権大会は、長野県野沢温泉で3月11日開会式を行い、14日まで各競技が繰り広げられ、北海道が優勝した。当時、全国民の期待を集めた18歳の猪谷千春選手の活躍が記録されている。
3.¥2.920ベースめぐって
国鉄労組争議行為中止 新給与ものむ
国鉄労組臨時大会第2日の3月16日、政府案の新給与2.920円をめぐって左右が鋭く対立したが、結局326対284で可決、争議行為中止を含め、そのほかの政府案も全面的に受諾した。この大会は、地方支部独自の山ネコストやボタージュがあい次いだため開かれたもので、以後国労の争議は一時停滞することになる。
 電産千葉 私鉄の送電停止
  5.358円ベース・3か月ごとの物価スライドをめぐって、電産の波状停電ストが3月18日から行われていた。そのなかで、電産千葉地協の停電ストは、21日正午から1時間、各私鉄へ送電を停止した。その結果、京成・新京成・東武野田線などの電車が止った。
 全逓 闘争宣言を発表 スト突入
  全逓は、15日全国各地でストに突入した。これは3月15日の土橋委員長の闘争宣言を記録している。ストによる通信マヒは批判をあび、内部分裂の危機を深めていった。

時の話題
4.二月堂のお水とり(奈良)
  お水取りは、毎年3月13日午前2時から、奈良・東大寺二月堂で行われる香水をくみ取る行事である。関西ではお水取りが終ると春が来ると言い伝えられている。
5.労農運動犠牲者葬(東京)
  片山潜は共産主義運動家で日本共産党の結成を指導、1933年、モスクワで客死。尾崎秀実は社会主義者でゾルゲのコミンテルンちょう報機関に参加、スパイとして1944年死刑に処せられた。これら420人の人々の合同葬が3月18日行われた。
6.アメリカ婦人の生花(東京)
  3月15日東京アメリカ婦人のいけ花展覧会が開かれ、マッカーサー婦人から免許状が渡された。
7.うしろ向き機関車(大阪)
  煙害防止のためバック運転を可能としたE10型SL機関車が、この年5両作られ、人吉・金沢・米原などに配置された。

8.弁護団側 最終弁論 ―東京裁判―
 最終弁論11日目の3月16日は、ウォーレン弁護人よる土肥原、平沼両被告の個人弁論を終り、南被告の弁論に入った。
9.私製タバコにホンモノ怒る(東京・新潟・大阪)
 昭和23年のたばこ専売法違反件数は、昭和での最高を示し、7万5.425件に達した。密造組織は第三国人が中心のことも多く、その勢力は強じんであった。

原文

New Nippon news No.115