新日本ニュース第114号
1.残忍! 生体の解剖 横浜軍事裁判
昭和20年5・6月ごろ、米軍捕虜約8人を九大医学部ほかで生体解剖し、その肉を食ったと言われる九大生体解剖事件の軍事法廷は、3月11日開かれ、ジョージ・ハーゲン検事が起訴状を朗読した。
2.国際婦人デー(東京・京都・大阪・九州)
日本民主婦人協議会準備会主催の国際婦人デー大会が各地で開かれた。東京では3月8日、国鉄、日教組、全逓、共産党の女性、外国の女性代表など5.000人が集り、生活の安定を訴えた。また、京都・大阪ではデモ行進をした。
3.身売りする赤坂離宮
赤坂離宮は、明治32年から10年をかけて完成した、フランス・ベルサイユ風宮殿であったが、皇室から国会に売却され、この23年から36年まで国会図書館として使用された。現在の迎賓館である。
時の話題
4.春風にのって(東京・福岡)
警察力の中央集権を排し、民衆のための警察をめざして、国家警察と全国で1.610の自治体警察に分ける、新警察制度が3月7日に発足した。
5.小林多喜二 十五年忌(東京・北海道)
小林多喜二は明治36年秋田県生れ、40年小樽へ移住し代表作「蟹工船」はここで書かれた。昭和5年上京、6年非合法の共産党に入党、8年に逮捕され警視庁特高の拷問により虐殺された。
6.“どうぞ貯蓄を”(東京)
経済再建のため貯蓄が奨励され、児童作品展で貯蓄ポスターが作られたり、ショーなどで宣伝されたりした。
後楽園球場で歌う笠置シズ子 「東京ブギウギ」の衣装を身につけている。
7.どう動くか新内閣
ひろがる労働攻勢(東京・名古屋・大阪・札幌)
政府は3月11日、中労委の調停どおり、官公吏の給与水準を2.920円と決めた。この給与ベースに反発する官公労の三月攻勢が始まり、主軸となった全逓は、東京・大阪で呼応して12日午前零時から24時間ストに突入した。全逓の東京・名古屋、大阪府教職員組合のスト、札幌の悪税反対人民大会などの模様を記録している。
8.芦田内閣スタート
片山内閣総辞職から1か月たった3月10日、ようやく芦田内閣が成立した。閣僚は民主6、社会8、国協2であった。
New Nippon news No.114