映像シンニホンニュースダイ109ゴウ V1H2814201373

新日本ニュース第109号

撮影年月
1948年(昭和23年)2月~1948年(昭和23年)2月
コレクション(提供者)
日本ニュース
撮影
発行
製作
株式会社日本映画社
配給
東宝株式会社
時間
8分16秒
米国国立公文書館オリジナル番号
館内限定公開 色彩無 音声有 貸出不可
内容

1.砂とたたかう 海岸砂防の研究
 強い季節風で耕作地が砂に埋まるため、東京大学などの科学者が静岡県大井川河口で海岸砂防の研究を続けている。その後、日本経済の高度成長期にこの付近は砂利、コンクリート工業地帯となった。
2.税金をめぐって(東京・京都・西宮)
 片山内閣は、政府支出の増大と徴税機構のマヒで破局を迎えていた。GHQは、1月26日、税務督励班を各府県に派遣すると発表していたが、947億の未収税金は、当初予算の10%近い額であった。フィルムは東京数寄屋橋公園に作られた納税宣伝塔や東京・京都の確定申告の受付風景、それに西宮市での差し押さえ状況を記録している。
3.弁護側再反ばくへ 東京裁判
 東京裁判は、1月28日から30日にかけて検事側証人に対する弁護側の反対尋問に移り、ソ連の捕虜となっている証人のフリッツ独軍中佐はゾルゲ問題を、ついで初めて蒙古人証人として出廷のチョグドン少佐(現ハルヒンゴール国境警備隊長)はノモンハン事件について、それぞれ証言した。法廷は2月4日から8日まで弁護側の反論証拠の作成準備のため休廷となった。

時の話題
4.ガンジー翁逝く
 インドの民族解放独立運動の指導者マハトマ・ガンジー(80)は、1月30日夜、ニューデリーの実業家ビルラ邸庭園で夕べの祈りの直前、同じヒンズー教徒からピストルでそ撃され、間もなく死亡した。犯人は、マハサバ党員ナラヤン・ビナヤク・ゴースで、その場で逮捕された。ガンジー(1869~1948)の生涯はイギリス支配との闘いをはじめ、ヒンズー教徒とイスラム教徒の和解、さらに不可触賎民の解放にささげられたが、このことを背信行為とみた過激なヒンズー主義者の犯行であった。
5.乾電池のおくりもの
 このほど、アメリカから日本の各学校に170万円の乾電池が寄贈され、その展覧会が東京・三越で2月2日行われ、森戸文相らが列席した。
6.鬼はどこに 神田明神の節分会
 節分の2月4日、都内各地で行われた豆まきには、行くえのわからない帝銀事件の犯人までが登場した。

7.まだつかまらぬ毒殺犯人
 帝銀事件の犠牲者の合同葬は、1月30日、小石川の護国寺で行われ、一般参列者も多数みられた。一方、事件捜査は犯人の人相が明確であったため、「人物捜査」に重点が置かれていたが、手がかりをつかめず、基本捜査への転換を迫られた。警視庁は1月30日、知能犯による犯行とみて、捜査2課に「特別捜査班」を設け、強力班の1課とともに、殺人事件として異例の捜査体制をとった。

原文

New Nippon news No.109