新日本ニュース第107号

1.四党協定破棄か
　片山内閣と社会党の命運を占う第3回社会党大会は、1月16日から19日まで神田の日大講堂で開かれ、注目の四党政策協定は21票差で左派の主張が通り、破棄と決定、書記長には浅沼稲次郎氏（右派）が加藤勘十氏を破って当選し、委員長に片山哲氏が再選された。この社会党大会を中心に民主党、自民党の反応もカメラに収める。
2.原田日記提出　‒東京裁判‒
　日本政治秘史を語るものとして、国際検事側が木戸日記とともに最も多く使用したものは、西園寺・原田回顧録であった。この原田日記は1月15日、コミンズ・カー検事によって法廷に提出され、故・西園寺公秘書の原田熊雄男爵のもとに通い、口述速記を続けた近衛秀麿子爵夫人泰子さんも出廷、証言した。同日記は、西園寺公望伝とも伝えられたもので、大正・昭和2代の政情を記録した文献として公開を持たれていたものである。

時の話題
3.スキー　インターカレッジ（北海道）
第20回全日本学生スキー選手権大会は、1月16日から3日間、小樽で行われ、明大は最終日の複合競技と純ジャンプに高得点をあげ、慶大、法大の追撃を退け昨年につづいて優勝した。
4.捕鯨船帰る（東京）
　南氷洋捕鯨船団の第一船・大洋漁業冷凍船第32播州丸（782トン）は、1月20日、冷凍肉・冷蔵肉など合計404トンを積んで東京築地市場岸壁に帰港した。
5.新鋭機関車C62誕生（山口）
　　山口県松市の日立製作所笠戸工場で製作中のC62機関車が完成し、1月23日、公式試運転が行われた。国鉄技術の粋をつくしたC62は特急・急行の機関車として華やかに登場したが、予想外の電化の進行で昭和45年ごろまでに引退した。

6.寿産院事件
　東京の早稲田署では、1月15日以来、もらい子殺しの容疑で新宿区柳町27の寿産院牛込産婆会長石川ミユキと、その夫石川猛を東京地検平山検事の指揮を受け取り調べていたが、17日、犯行を自供、26日同夫婦を殺人罪で起訴した。17日夕刻までに判明した寿産院のもらい子は204人、死亡103人、ほかに里子に出した98人（19年～現在）で、平山検事は「子どもはほとんど餓死しているようで、こんなむごい犯罪は珍しい」と語っている。

New Nippon news No.107