映像シンニホンニュースダイ106ゴウ V1H2714201031

新日本ニュース第106号

撮影年月
1948年(昭和23年)1月~1948年(昭和23年)1月
コレクション(提供者)
日本ニュース
撮影
発行
製作
株式会社日本映画社
配給
東宝株式会社
時間
8分09秒
米国国立公文書館オリジナル番号
館内限定公開 色彩無 音声有 貸出不可
内容

1.平野力三氏追放
 政界に波紋を投じてきた前農相平野力三氏の資格問題は、13日の公職適否審査委員会で採決の結果5対4で該当と決し、14日正式に決定された。G項該当判定理由は、戦時中同氏が「皇道会」の有力者であったことによるものでGHQ、GS(民政局)の示唆も影響した。(注)皇道会・・・・・・在郷軍人と平野力三氏らの日本農民組合によって結成された団体。
2.教員組合事件(岩手)
 昨年12月岩手県教組との団体交渉の際、国分知事が床に倒れたことから組合側の暴力行為として、検察側が起訴した事件の第3回公判が1月13日開かれ、小笠原副委員長は、知事はいすにつまずいたと証言し、14日には実地検証が行われた。

時の話題
3.機械化消防(東京)
 恒例の警視庁消防部の消防出初式は、好天に恵まれた15日朝、宮城前広場で斉藤警視総監以下48消防署・消防団から2.000人、はしご自動車、新型速消車など111台が出勤して行われ、機械化された消火演習や人名救助演習を展開した。
4.賠償物資 積出し(神奈川)
 元旦から貿易港として再発足した横須賀港に、1月11日、中華民国の海康号が入港し、中国向けの賠償物資を積み込んだ。
5.まないた開き(東京)
 浅草清島町の報恩寺で1月12日、恒例の爼開(まないたびらき)の行事が古式により行われた。
6.ジャンプ台完成 大倉山(北海道)
 札幌駅西南西6キロの台地・大倉山に、東洋一の大ジャンプ台・大倉山シャンツェが1月11日完成した。シャンツェ開きには、各大学出身の一流選手がジャンプ記録会を行った。

7.嶋田被告怒る ‒東京裁判‒
 22年12月19日の法廷で、東郷被告が「海軍首脳だった永野、嶋田両被告、市ヶ谷の控室で『海軍が奇襲を欲していたことを言うな』と私に口止めした」と証言をして、かつてない反響を呼んだが、この証言に対し、嶋田被告は、裁判所の許可を得て、1月9日、再び証言台に上がり、東郷証言を激しく非難した。
8.発シンチフス発生(大阪・東京)
 総和22年の冬、はじめて神奈川に発生の発しんチフスは、年末に大阪で集団発生し、明けて1月12日には上野駅地下道の浮浪者8人が発しんチフス疑似症と診断された。なお、昭和21年3万2.336人(厚生省予防局防疫課調)もの流行をみた発しんチフスは、連合軍当局の指令に基づいた組織防疫が成功し、昭和22年には1.114人と激減している。

原文

New Nippon news No.106