新日本ニュース第100号
1.100号を迎えた日本ニュース ニュース映画ができるまで
昭和21年1月10日に戦後の日本ニュース第1号が封切られてから100号記念として、日英ニュースの製作現場を紹介する。
2.北のはて 冬期漁業(北海道)
遠洋漁業は禁止されていたが、昭和21年6月25日、連合軍総司令部が食糧危機を救う一助に、出漁制限海域を広げて以来、沿岸漁業への期待が高まっていた。これは、北海道のたら漁を取材したフィルムである。
3.今週の市ヶ谷法廷
12月3日の東京裁判は、佐藤賢了(元陸軍軍務局長)、重光葵(元外相)両被告の個人弁護に入った。佐藤部門は1日で終えたが、フリーマン弁護人は阿部信行元首相の口供書を提出し、第3次近衛内閣総辞職の当日。佐藤被告が阿部大将宅を訪問したのは、東條陸相(当時)を首相にせよと要求したのではないことを立証し、注目された。重光部門は3日に引き続き、4日もファーネス弁護人が重光弁論を続行、米英ほか各国外交官の口供書などを提出し、重光元外相の和平努力を弁護した。
4.政局 なお混迷
炭鉱国家管理法案を成立させたものの、片山内閣は破局を迎えていた。11月28日、与党民主党は炭鉱国管案反対派の中心だった7人を除名、同日、反対派の幣原喜重郎氏らは同志クラブを結成し、翌29日、脱党した。一方、平野農相の後任をめぐって有力視されている野溝勝氏(日農副委員長)も民主党、国協党の反対で決まらず、行き悩み、苫米地義三運輸相は1日辞任し、民主党幹事長に4日就任した。
時の話題
5.天皇 山陰へ(鳥取)
11月27日、鳥取に到着された天皇陛下は、中国巡幸第1夜を三朝温泉で過ごされ、翌28日午前、倉吉中学校の奉迎場に臨まれたあと、倉吉家畜市場などを歴訪された。
6.わが輩は猿である(東京)
笹塚のきわださんが飼っているさるは、ねこの世話をよくみるので近所の評判となっている。
7.鹿の生捕り失敗 馬毛島(鹿児島)
種子島の西約11キロの無人島馬毛島に、しかがいるというので、種子島漁協の人たちが、生け捕り作戦を展開した。
8.スポーツ 大学高専 十哩レース(東京)
東京の代田橋-井の頭往復の関東大学・高専の10マイルレースが、11月30日行われ、中大チームが9時間55分6秒で優勝した。
9.電力の危機つづく
恒常化した電力飢きんは、11月上旬以来特に深刻化し、停電続きで家庭では、ろうそく代がかさんだ。また電力制限で、主要産業の11月生産高は軒並みに低下し、各企業も経営が行き詰まった。
New Nippon news No.100