新日本ニュース第99号
1.十二月の声
敗戦後3年目の年の瀬を控え、各地に見るクリスマスや正月を迎える風景は、どん底の暮らしが続き、浮浪者が増加していた。
2.大島被告の段階へ 東京裁判
東京裁判は、11月21日から個人段階17人目の大島浩被告部門に入り、タベナー米検事は「日・独・伊3国同盟締結を強行しようとした」と大島証人を追及し、同証人はこれを否定した。
時の話題
3.“電気よこせ”市民大会(大阪)
異常渇水や発電所の故障続出のため、11月24日朝、関東配電では、連合軍施設など一部を除く、全地区の送電を停止する指令を出した。この事態に大阪では「電気よこせ」大会が開かれた。
4.自由人権協会発足(東京)
米国のアメリカン・シビル・リバティー・ユニオンの日本版で、人権擁護を目的とする自由人権協会の創立総会が、11月23日、東京弁護士会館で片山首相は約200人が出席して開催された(理事長 海野普吉氏)
5.大亀あばれる(熊本)
九州三大祭の一つといわれる、熊本県八代市妙見町の八代神社の例祭が、11月17日、18日にぎやかに行われた。例祭には多くの風流行列が、市内の目抜き通りを練り歩き、なかでも祭神の妙見様が、海路この地に乗ってきたという、大きなかめのつくり物が人目を引いた。
6.関根組公判 軍事裁判
元関根組組長関根賢ら11人に関する「機関銃不法所持」、並びに「集団的暴力行為取り締まりに関する指令違反」の軍事裁判は、11月26日、警視庁特設法廷で最終公判が行われ、裁判長W・ショープ少佐から関根賢、木津政雄の両人に重労働5年、罰金7万5.000円の最高刑の判決が言い渡された。
7.スポーツ 早慶ラグビー戦 早41-3慶
女子学習院跡にできた青山新設ラグビー場で、11月23日、早慶ラグビーが行われ、大差で早大が慶大を破った。
8.国会もみあう
炭鉱国家管理法案を成立させるため、政府と与党がとった委員会打ち切りの方針は、野党側の強い反対にあい、自由党は本会議の引き延ばし作戦を続け、11月20日以来22日まで3日間、衆議院本会議は乱闘騒ぎを演じ、大混乱となったが、25日に4党間の協定が成り、同日、国管法案は衆院本会議で修正可欠され衆院を通過した。9月25日提出以来2か月ぶりである。
New Nippon news No.99