新日本ニュース第97号
1.隠退蔵物資はどうなったか 大造事件(大阪)
元大阪造幣廠管理部の河本利夫氏の情報から11月7日、最高検が真相究明に乗り出した大阪造幣廠の軍需物資不正払い下げ事件を伝える。敗戦当時大阪造幣廠には旧陸軍の物資の4割があったといわれる。
2.耕作地を得た人(神奈川)
農地改革は22年3月から農地の買収が進められ、7月の第2次買収までに、全国小作地の15%強の買収を終えたが、10月の第3次買収は、在村地主対象の農地に入ったため、買収は地主のさまざまな抵抗にあい、困難をきわめていた。これは、順調に自作農になれた横浜の農民の表情を伝えている。
3.南被告の段階へ 東京裁判
東京裁判のウェッブ裁判長は、11月10日、オーストラリアへ一時帰国したため、この日の法廷はアメリカ代表判事クレーマー少将が裁判長となり、南次郎被告の審理を行った。
時の話題
4.軍艦住宅(呉)
住宅難の西原正三さん一家は、戦時中米軍の空襲で呉港に着底したままの、かっての海軍航空戦艦「伊勢」(35.350トン)に住み込んでいる。これでも住所は広島県安芸郡音戸町である。
5.百円札に御注意(東京)
共同印刷(文京区久堅町)で、先月28日、印刷中の紙幣120万円が盗まれたが、この犯人が11月2日、台東区浅草北松山町の内田洋服店で番号なしの紙幣を使ったことから浅草署員に逮捕された。
6.乳牛に感謝(北海道)
乳牛に感謝する牛祭りが、10月25日、北海道渡島支庁山越郡八雲町の牧場で盛大に行われた。
7.白秋忌(福岡・東京)
詩人の北原白秋(明治18-昭和17)没後5年、11月2日の命日に、生地・福岡県柳川では白秋詩碑建立のくわ入れ式が行われ、東京でも11月10日、日比谷公会堂で白秋をしのぶ会が行われた。
8.木炭のゆくえ
早い冬の訪れにもかかわらず、都会に木炭が送られてこない。あい変わらず産地には山積みの炭俵などをルポする。
New Nippon news No.97